問54 2012年1月応用
問54 問題文
【財務データ】に基づくX社とY社の財務状況に関する次の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句または数値を,解答用紙に記入しなさい。計算結果は,小数点以下第3位を四捨五入すること。
X社とY社の財務指標について比較検討すると,売上高では,Y社がX社の約2倍あるものの,売上高と営業利益で算出する( 1 )では,X社の値がY社の1.48%を上回っており,使用総資本回転率では,X社の値がY社の( 2 )回を下回っている。また,株主への利益還元状況を表す配当性向では,X社がY社を上回っている。なお,連結財務諸表の「( 3 )」は,IFRS(国際財務報告基準)では,「非支配(株主)持分」と表記することとされている。
問54 解答・解説
財務指標に関する問題です。
売上高と営業利益で算出する財務指標とは、売上高に対する本業の利益の割合を示す、売上高営業利益率です。
売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100
X社の売上高営業利益率=33,117÷1,795,306×100≒1.84%
Y社の売上高営業利益率=53,279÷3,590,964×100≒1.48%
よって、問題文の通り、X社の値がY社の1.48%を上回っています。
次に、使用総資本回転率=売上高/総資本 であり、
X社の使用総資本回転率=1,795,306÷3,146,337=0.57060≒0.57回
Y社の使用総資本回転率=3,590,964÷3,678,206=0.97628≒0.98回
となり、問題文の通りX社がY社を下回っています。
なお、使用総資本回転率は、総資本をどれだけ効率的に使っているかを示すもので、総資本が売上高によって何回新しいものになるか、を回転数で表します。
最後に、少数株主持分は、連結会計において、子会社の自己資本のうち親会社が保有していない部分ですが、IFRS(国際財務報告基準)では、「非支配(株主)持分」と表記されます。
連結決算の際、日本では子会社の少数株主持分の利益・資本を除外しますが、IFRSでは除外されず、算入されます。
以上により正解は、(1)売上高営業利益率 (2)0.98 (3)少数株主持分
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