問15 2011年1月基礎
問15 問題文
法人が受け取る損害保険の受取保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1)
法人所有の店舗が火災に遭い,建物および商品が全焼し店舗を休業した場合,店舗休業保険からの受取保険金については,圧縮記帳の適用対象とならない。
2)
法人所有の店舗が火災に遭い,保険金等の支払を受けた事業年度に焼失した資産の代替資産の取得等ができない場合,その翌期首から原則として2年以内に代替資産の取得等の見込みがあるときは,圧縮限度額の範囲内の額を特別勘定として損金の額に算入することができる。
3)
法人所有の店舗が火災に遭い,保険金等の額が確定する前に,法人が焼失した建物(所有固定資産)に係る代替資産を取得した場合については,圧縮記帳の適用対象とならない。
4)
法人所有の自動車が盗難に遭い,自動車保険の車両保険からの受取保険金で新しい自動車を取得した場合については,圧縮記帳の適用対象となる。
問15 解答・解説
損害保険の受取保険金と圧縮記帳に関する問題です。
1)は、適切。店舗休業保険の保険金は、休業による利益逸失を補償するもので、店舗や商品を補償するものではありません。圧縮記帳の対象は、固定資産の滅失・損壊に対して保険金を受け取り、代替資産を取得した場合です。
よって、設例のように建物・商品が火災で全焼しても、休業保険の保険金は圧縮記帳の対象にならないわけです。
2)は、適切。法人所有の店舗が火災に遭い、保険金等の支払を受けた事業年度の翌期首から原則として2年以内に代替資産の取得等の見込みがあれば、圧縮限度額の範囲内の額を特別勘定として損金算入できます。
なお、圧縮記帳の対象となる保険金は、滅失または損壊のあった日から3年以内に支払の確定した保険金等で、支払を受けた事業年度に代替資産を取得すれば圧縮記帳の適用を受ける、というのが原則です。
3)は、不適切。法人所有店舗が火災に遭い、保険金額が確定する前に代替資産を取得した(先行取得した)場合でも、圧縮記帳の適用対象です。
ただし、圧縮限度額の計算式は以下の通りとなります。
※先行取得資産の圧縮限度額=通常の圧縮限度額×帳簿価額/取得価額
よって、帳簿価額が減価償却等で取得価額より下がっている場合、通常よりも圧縮限度額が少なくなります。
4)は、適切。圧縮記帳は、火災保険だけでなく、自動車保険契約(車両保険)の保険金についても適用できます。よって、法人所有の自動車が盗難に遭い、車両保険の保険金で新しい自動車を取得した場合、圧縮記帳の適用対象です。
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