問22 2011年1月基礎
問22 問題文
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1)
ポートフォリオのリスクは,アンシステマティックリスク(非市場リスク)とシステマティックリスク(市場リスク)に分けられるが,最適ポートフォリオにおいても,システマティックリスク(市場リスク)がゼロとなることはない。
2)
2つの資産間の相関係数は,2つの資産の共分散に,それぞれの資産の標準偏差を乗じて算出することができる。
3)
ポートフォリオのリスクは,組入資産間の相関係数が1でない限り,組入資産のリスクの加重平均を下回る。
4)
収益率の散らばりが正規分布していると仮定した場合,理論上,収益率は約68%の確率で,「期待収益率(平均値)±標準偏差」の範囲内に収まる。
問22 解答・解説
ポートフォリオ理論に関する問題です。
1)
は、適切。ポートフォリオのリスクにはアンシステマティックリスク(非市場リスク)とシステマティックリスク(市場リスク)がありますが、最適ポートフォリオを組んだとしても、システマティックリスク(市場リスク)をゼロには出来ません。
2)
は、不適切。2つの資産間の相関係数は、2つの資産の共分散を、それぞれの資産の標準偏差で除して算出します。
3)
は、適切。ポートフォリオのリスクは、組入資産間の相関係数が1でない限り、組入資産のリスクの加重平均を下回り、組入資産間の相関係数が1のときはリスクの加重平均と等しくなります。
相関係数が1=組入資産全てが正の相関=同じ値動き ですので、ポートフォリオを組んでもリスクは単に同じ値動きをする株を複数買ったのと同じで、分散投資の意味がありません。
相関係数が1より小さい=組入資産が無相関・負の相関=バラバラの値動き・逆の値動き となり、こういったポートフォリオを組むことで、単に加重平均した計算結果よりも全体としてリスクを抑えた投資を行うことが可能となります。
4)
は、適切。収益率の散らばりが正規分布していると仮定した場合、理論上、収益率は約68%の確率で、「期待収益率(平均値)±標準偏差」の範囲内に収まり、約95%の確立で「期待収益率(平均値)±標準偏差×2」の範囲内に収まります。
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