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2012年6月10日実技part2

2012年6月10日実技part2

part2 問題文

●設 例●
 Aさん(50歳)は、3年前に会社を辞め、以降、Aさんの父(75歳)が経営する骨董品店を手伝いながら近くの分譲マンションに家族と住んでいる。
 先月、Aさんの父が急逝した。遺産のうち不動産は、三大都市圏の既成市街地にある甲土地、乙土地、丙土地と各土地の上に建つ建物(自宅、骨董品店舗、3軒の貸店舗)である。相続人は、Aさん、Aさんの母(72歳)、Aさんの妹(独身・48歳)の3人で、母と妹は自宅で父と同居していた。
 父は自筆証書遺言を残しており、その内容は、「自宅土地建物は妻(Aさんの母)に、丙土地と3軒の貸店舗は病弱の妻の世話をしている長女(Aさんの妹)に与える」という簡単なもので、他の不動産や金融資産に関しては記載がなかった。自宅、店舗とも遺産の建物はいずれも木造で築後40年以上経過しており、最近は補修負担が重くなってきている。母と妹は、Aさんが骨董品店(乙土地とその上の店舗建物)を相続することに特に異論はないようであるが、Aさんは、骨董品店の経営については経験・ノウハウが乏しいため、事業をいつまで継続できるかあまり自信がない。
 そのような状況のなか、隣接地の所有者でディベロッパー部門も有する建設会社X社から、甲、乙、丙の各土地にX社所有地を加えた共同開発(店舗付きマンション)の計画が提示された。建築費の全額をX社が負担する等価交換方式である。X社は上場会社で等価交換の経験も豊富なようであり、Aさんは、安定的な収入が得られるなら前向きに考えたいと思っているが、その開発計画全体では時間がかかるのではないかと心配している。

〈Aさんの相談事項〉
1.父の残した自筆証書遺言の効力について教えてほしい。
2.相続税の納税負担を少なくするためにはどうしたらよいか、アドバイスがほしい。
3.遺産分割協議とX社の提案する共同開発の検討という2つの課題への対応をどう進めたらよいか、注意点をアドバイスしてほしい。

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part2 ポイント解説

●顧客の抱える問題と解決策
1. 自筆証書遺言の効力
自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書して印を押すもので、パソコンやワープロ等で作成したものは無効となる。
また、自筆証書遺言や秘密証書遺言は、相続開始後に、家庭裁判所での検認が必要
検認とは、遺言の有効・無効を判断する手続ではなく、相続人に遺言の存在・内容を知らせ、遺言書の形状や修正の有無、日付、署名等を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止する手続

また、相続開始後に遺言書に記載漏れの財産があった場合は、その財産は相続人全員の分割協議で分割割合・方法等を決めることが必要であり、さらに、相続人全員の同意があれば、相続財産全体について遺言とは異なる遺産分割を行うことも可能(遺言執行者が選任されていない場合)。

2. 相続税の納税負担の軽減
◆小規模宅地の特例の活用
小規模宅地の特例では、特定居住用は240uを上限に80%減額、貸付事業用は200uを上限に50%減額となる。
また、特定事業用は400uを上限に80%減額となる。
なお、小規模宅地の特例を複数の宅地に適用する場合、一定の限度面積の制限があり、どの宅地に適用するかは納税者が選択できる。
<2種類以上の小規模宅地等の特例適用を受ける場合の限度面積>
特定事業用適用面積+特定居住用適用面積×5/3+その他適用面積×2≦400u

※その他:特定事業用・居住用に該当しない小規模宅地(貸付事業用等)

小規模宅地の特例は、基本的に相続税の申告期限まで居住用宅地は居住・所有継続し、事業用・貸付用宅地は事業や貸付を継続することが必要となる。

3. 遺産分割協議と共同開発の検討の進め方の注意点
共同開発においては、貸店舗の借主が、共同開発による店舗付マンションに対し、住宅として再入居・店舗での再入居・立ち退き等、どのような対応を希望するか交渉が必要となる。
単なる老朽化による建替えだけでは、賃貸借契約解除の正当理由には不十分とされる場合もあるため、立ち退きの場合は立ち退き料が必要になることもあり、借主との交渉によっては共同開発が長引く可能性があり、]社が借主との交渉も代行してくれるのか、確認しておくこと。
また、当該地域が三大都市圏の既成市街地にあることから、地上3階建て以上で耐火構造のマンションを建設する場合、立体買い換えの特例の適用を受けることにより、不動産の譲渡益に関する課税を繰り延べることもできるため、適用可否を確認すること。
遺産分割についても、共同開発によりAさんの母や長女の生活は大きく変化し、共同開発を受けない場合でも、金融資産についての分割協議が必要になるため、骨董品店や貸店舗の今後の見通しも含めて、相続人間でよく話し合うことが必要となる。

 FPと関連法規
不動産取引に係る具体的な税金の質問等に関しては、税理士を、土地価格の算定は不動産鑑定士を紹介すべきです。
また、土地活用等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、不動産業者やデベロッパーを紹介すべきです。
本問では、]社との不動産取引とそれに伴う税負担が大きな焦点であるため、具体的な検討を行う際には、税理士や不動産鑑定士の協力を仰ぐべきと考えます。

6月10日part1                                 目次に戻る
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