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2013年2月2日実技part1

2013年2月2日実技part1

part1 問題文

●設 例●
ケーキ・洋菓子専門店であるX社は、その商品の独特の食感と妥当な価格で地元では有名な優良会社であり、直近の経常利益は3,500万円である。
X社の社長であるAさん(64歳)は創業者であり、東京都内の大手ホテルで修行した後、地元に戻り開業した経緯がある。
X社は評判がよいため、近年は鉄道会社に請われて駅前施設にも出店し、売上と利益はさらに上向くことが予想されている。このX社には地元に競合店が数店あるものの、いずれもX社にとっては脅威ではなく、むしろ都内のデパ地下に出店している有名店が競合先となっているといってよい。
Aさんは早くに妻を亡くしている。Aさんには現在フランスで修行中の長男がおり、近い将来に帰国し、後継者としてX社に入社する予定である。
Aさんは長男をX社に呼び戻した後の事業承継を考えており、長男は現在、X社株式をまったく保有していないことから、贈与による株式の移転を考えている。ただ、どのような方法で贈与を行えばよいか、贈与に係る税金はどうなるのか、わからないので困っている。
またAさんは、自宅についても将来的には長男に引き継がせたいと考えているが、売却あるいは贈与がよいのか相続まで待つほうがよいのか、またそれぞれのケースでの税金に関して、どのように課税がなされるのかについて、詳しく知りたいと思っている。
さらにAさんは、個人的な資金運用として個人向け国債の購入を検討しているが、金利が上がると国債価格が下落するらしいと聞いて不安を感じている。
現時点でのAさんの相続財産は約6億円であり、うち自宅土地・建物(小規模宅地等の評価減適用後)の金額は3,000万円、相続税の総額約2億2,000万円と見積られている。

〈Aさんの家族構成〉
Aさん (64歳) :X社社長
長男 (32歳)  :海外で修行中
長男の妻(32歳) :専業主婦
長男の子(2歳)

〈X社の概要〉
資 本 金 :1千万円    発行済株式総数  :200株
株 主 構 成  :Aさん100%    従 業 員 数  :7人
株式の相続税評価額 :200万円/株(会社規模は中会社の小に該当する)

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part1 ポイント解説

● 顧客の相談内容・問題点に対する解決策。
1.  相続税の軽減対策(←問題文に明示されてはいないため、問われない可能性も有り)
(1) 生命保険・金庫株の活用
(2) 役員退職金の支給
(3) 自社株式評価の引き下げ(配当・利益・純資産の引下げ)
(4) 非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度の活用

2. 事業承継対策
(1) 非上場株式の贈与税の納税猶予制度の活用
(2) 長男への自宅の引継ぎ方法
(売買⇒売却益に譲渡所得課税、贈与⇒相続時精算課税、相続⇒小規模宅地の特例)
(3) 長男へのX社株式の譲渡

3. 長男への事業承継対策の詳細
◆非上場株式の贈与税の納税猶予制度の活用
非上場株式の贈与税の納税猶予制度を活用することで、後継者である長男が先代経営者であるAさんから株式を生前贈与された場合、課税価格の100%に対応する贈与税について、Aさんが死亡するまで納税の猶予を受けることが出来る。
ただし、後継者が贈与前から所有していた分を含め、発行済議決権株式等の総数の3分の2までが適用対象であるため、対象外となる分は長男が自己資金で買い取るか、X社が金庫株として買い取り、対価を納税資金とすることもできる。
また、本特例を受けるには、先代経営者は贈与時までに会社の役員を退任し、後継者が贈与時以降に承継会社の代表者であることが必要であるため、現在代表権の無い長男に代表権を与える必要がある。なおかつ、後継者は役員等に就任して3年以上経過していることが必要 なため、現時点では長男を後継者に指名しても本特例は適用できないことから、3年以上の期間をかけて事業承継を進めていくこととなる。

4. 長男への自宅の引継ぎ方法
◆親から子への譲渡(売買)
親子間での売買の場合、譲渡価額が時価よりも著しく低いと、時価との差額に贈与税が課税される。また、不動産の譲渡によって親に売却益が発生した場合には、譲渡所得として課税される(親族間の譲渡のため、3,000万円の特別控除等の特例適用もなし)。

◆親から子への贈与
贈与の場合、暦年課税と相続時精算課税のいずれかを選択することになるが、暦年課税の基礎控除は110万円であるのに対し、相続時精算課税では特別控除2,500万円まで贈与税はかからず、相続発生時に贈与された財産を相続財産に加算して相続税を計算するため、税負担は軽くなると可能性がある。
ただし、贈与者は贈与年の1月1日時点で65歳以上、受贈者は20歳以上であることが必要なため、現在64歳のAさんの場合、適用可能となるのは来年以降である。
(平成27年1月1日以降は、60歳以上で適用可能)

◆親から子への相続
相続で親の自宅を取得する場合、小規模宅地の特例により、特定居住用宅地は240uを上限に、80%減額となる(ただし、平成27年1月1日以後は、330uに拡大)。
ただし、特定居住用宅地は、配偶者以外が取得する場合には、取得する別居親族は、相続開始前3年以内に自宅を所有していないことと、相続開始からの申告期限まで継続保有すること等が必要。
本問では、現在長男は海外修行中のため、帰国後にAさんと同居していれば、相続発生後に申告期限まで継続居住・保有すると、特例が適用される。また、帰国後にAさんと別居していると、相続開始前3年以内に自宅を所有(購入)していないことと、申告期限まで継続保有 が適用条件となる。

5. 国債と金利の関係と個人向け国債の説明
社債や株式同様、国債も金融市場における売買の対象であり、債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇する。ただし、これは銀行等の金融機関が売買する通常の国債に関してであり、個人向け国債は発行から1年経過後には中途換金可能(国が額面金額での買い取りを保証している)であるため、金利が上昇しても、元本割れしない。
また、変動10年タイプであれば、金利変動にも対応するため、金利上昇リスクにもある程度対応できる商品といえる。

● FPと職業倫理
FPの職業倫理は、顧客利益の優先、守秘義務、説明義務(アカウンタビリティ)、顧客の説明・同意(インフォームド・コンセント)の4つ。
本問では、FPと顧客の利益相反や顧客の秘密漏洩を懸念する局面ではなく、個人向け国債に関しても金融商品取引法等における重要事項の説明義務に関わる段階でもなさそうですので、一番重要なのは、様々な納税資金対策・事業承継対策の方法やそれを適用した結果をきちんと説明し、顧客の理解度を確認する「インフォームド・コンセント」ということになるかと思います。
ただし、税負担について多くの論点があることから、具体的な税金の質問等に関しては税理士の協力を仰ぐことが必要と思われます。

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