問57 2013年9月応用

問57 問題文と解答・解説

問57 問題文

X社の当期の〈資料〉と以下の〈条件〉をもとに,同社に係る〈略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)〉の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な数値を,解答用紙に記入しなさい。なお,別表中の「***」は,問題の性質上,伏せてある。

〈条件〉
・設例に示されている数値等以外の事項は,いっさい考慮しないこととする。
・所得金額の計算上,選択すべき複数の方法がある場合は,X社にとって有利になるような方法を選択すること。


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問57 解答・解説

法人税の計算に関する問題です。

まず、(1)の「交際費の損金不算入額」ですが、資本金1億円以下の企業は、交際費のうち800万円までは全額損金算入することができます。
※2012年度までは「交際費のうち600万円を上限にその9割まで損金算入」でしたが、税制改正により2013年度からは交際費の損金算入額が拡大されました。
また、1人当たり5,000円以下の社外の人との飲食費等で、所定の事項を記載した書類も保存されている場合の金額は、税務上損金不算入となる交際費に含まれません
本問の交際費は862万円ですから、このうち1人当たり5,000円以下の飲食費29.5万円は交際費に含まれず、さらに残りの832.5万円のうち、800万円を超える分が損金不算入となるわけです。
よって、(1)の正解は、8,620千円−295千円−8,000千円=325千円。

次に(2)の「保険料の損金算入否認額」ですが、X社が契約している保険は、被保険者を全役員・従業員とし、満期保険金受取人=法人、死亡保険金受取人=役員・従業員の遺族とする、ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)と呼ばれる養老保険で、支払保険料の2分の1を資産計上、残りの2分の1は損金算入します。
問題文では保険料120万円全額を損金経理していますので、半額の60万円は損金算入否認=損金不算入となるわけです。
従って、(2)の正解は、1,200千円÷2=600千円 です。

次に(3)の「納税充当金から支出した事業税等の金額」ですが、問題文にある「「未払法人税等」から支出した前期確定申告分の事業税等(地方法人特別税を含む)480千円」が該当します。
既に前期で申告し、今期納税済みの事業税については、法人税を計算するときに控除されるわけですね。

次に(4)は、の「法人税額から控除される所得税額および復興特別法人税額から控除される復興特別所得税額」ですが、問題文にある「預金の利子について源泉徴収(特別徴収)された所得税額9千円・復興特別所得税額189円」が該当します。
既に源泉徴収されている所得税・復興特別所得税については、法人税を計算するときに控除されるわけですね。
従って、(4)の正解は、9,000円+189円=9,189円 です。

次に(5)の「欠損金または災害損失金等の当期控除額」ですが、これは「前々期からの繰越欠損金2,770千円」が該当します。青色申告法人は、過去の事業年度で赤字(欠損金)があれば、今期の黒字(所得)と相殺することが出来ます(災害損失金については青色申告法人でなくても繰越可能)。これが欠損金の繰越控除といわれるもので、以前は7年間の繰越でしたが、平成24年4月1日以降開始の事業年度からは9年間赤字を繰り越せることになりました(平成20年4月1日以降終了した事業年度で生じた欠損金額から適用)。

最後に(6)の「所得金額または欠損金額」ですが、これは以下の数式で表せます。
所得金額または欠損金額=当期利益+加算分−減算分+法人税額から控除される所得税額+欠損金・災害損失金等の当期控除額

よって、(1)〜(5)の結果のほか、「*** 」で表されている項目を確認します。
まず、「損金の額に算入した道府県民税利子割額」ですが、]社の資料に記載の通り、預金の利子について源泉徴収された道府県民税の利子割額3千円です。

次に「損金の額に算入した納税充当金」ですが、納税充当金は、当期に確定した法人税等を翌期の支払いに充てるために計上するもので、本問では平成26年3月期確定申告の見積納税額5,450千円(未払法人税等の期末残高5,450千円)が該当します。
法人税等は企業会計上では損金としますが、税務上では損金不算入のため、当期利益に加算されるわけです。
よって、損金の額に算入した納税充当金=5,450千円

最後に「減価償却の償却超過額」は、法人税法上の償却限度額を超過した減価償却額については、償却超過額として損金不算入となり、翌期に繰越して、翌期以降に償却不足額が発生した場合に、不足額相当分が損金算入されます。
また、法人税法上の償却限度額に満たない償却不足額については、切り捨てられ、翌期以降に繰り越して損金算入できません。
よって、減価償却の償却超過額=430千円

従って、加算分=3+5,450+325+430+600=6,808 ですので、
(6)所得金額または欠損金額=12,433+6,808−480+9.189+(−2,770)=16,000千189円 です。

※計算結果がマイナスの場合は欠損金額、プラスの場合は所得金額となります。

以上により正解は、(1)325,000(円) (2)600,000(円) (3)480,000(円)
(4)9,189(円) (5)(▲)2,770,000(円) (6)16,000,189(円)

第3問                         問58

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