問59 2014年9月応用
問59 問題文
法人税に関する以下の文章の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な語句または数値を,解答用紙に記入しなさい。なお,空欄Eについては該当する語句のうち,1つを記入すればよい。
T 「平成26年10月1日以後に開始する事業年度から,法人住民税の法人税割の税率の引下げにあわせて,( 1 )が創設されます。( 1 )の税額は,各課税事業年度の基準法人税額(課税標準)に4.4%の税率を乗じて計算した金額となります」
U 「平成26年度税制改正により,所得拡大促進税制が拡充・延長されました。仮に,X社が平成26年7月1日から開始する事業年度において,雇用者給与等支給額を基準事業年度と比較して( 2 )%以上増加させるなどの要件を満たし,本制度の適用を初めて受けた場合,支給増加額の10%相当額を法人税額から控除できます。ただし,当該税額控除は,X社のような中小企業者等の場合は法人税額の20%相当額が限度額となります。なお,平成27年7月1日から開始する事業年度においては,雇用者給与等支給額を基準事業年度と比較して( 3 )%以上増加させないと,本制度の適用を受けることができません」
V 「平成26年度税制改正により,生産性向上設備投資促進税制が創設されました。仮に,X社が平成26年7月1日から開始する事業年度において,生産性向上設備等に該当する一定の規模以上の『先端設備』または『生産ラインやオペレーションの改善に資する設備』を取得した場合,即時償却またはその取得価額の( 4 )%(建物および構築物は3%)相当額を法人税額から控除することができます。加えて,資本金3,000万円以下の法人の場合,取得した生産性向上設備等が中小企業投資促進税制の対象となる一定の設備に該当すれば,上乗せ措置として,その取得価額の10%相当額を法人税額から控除することができます。ただし,当該税額控除は法人税額の20%相当額が限度額となります。
なお,『生産ラインやオペレーションの改善に資する設備』は,投資計画における投資利益率が( 5 )%(中小企業者等は5%)以上であることが要件となります。また,当該設備に係る本制度の適用を受けるためには,投資計画について,( 6 )等の事前確認を受けたうえで,経済産業局へ申請する必要があります」
問59 解答・解説
地方法人税・各種促進税制に関する問題です。
T 平成26年度税制改正により地方法人税が創設され、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から、各課税事業年度の基準法人税額(課税標準)に対して4.4%の税率で課税されることになりました。
これまでは、東京一極集中の影響で、地方税である法人住民税の税収が東京に偏っていましたが、法人住民税を引き下げ、その分を国税である地方法人税として徴収し、各地方自治体に配分する地方交付税の原資とすることで、自治体間の財政力格差是正を目指すことになったわけです。
U 所得拡大促進税制とは、個人の所得水準の底上げ促進のため、従業員への給与等の支給額を基準事業年度から2%〜5%以上増加させる等の要件を満たした場合、給与等の支給増加額の10%を法人税額から控除できる制度です(青色申告事業者のみ)。
以前は給与の増加割合を5%以上としていましたが、平成26年度税制改正により、開始事業年度の経過に応じて、少しずつ給与の増加率を上げていけば適用されることになりました。
具体的には、平成27年4月1日前に開始する事業年度においては、基準事業年度と比較して2%、平成27年4月1日〜平成28年3月31日までは3%、平成28年4月1日〜平成30年3月31日までは5%以上増加させる必要があります。
ただし、税額控除の上限は、法人税額の10%(中小企業等は20%)相当額です。
V 生産性向上設備投資促進税制とは、高品質の設備投資の促進によって事業者の生産性向上を図るため、先端設備や生産ライン・オペレーションの改善設備を導入した場合、即時償却またはその取得価額の5%(建物・構築物は3%)相当額を法人税額から控除できる制度です(青色申告事業者のみ)。
さらに、取得した設備が中小企業投資促進税制の対象でもある場合、以下の上乗せ措置があります。
資本金3,000万円以下の法人→即時償却または10%の税額控除
資本金3,000万円超1億円以下の法人→即時償却または7%の税額控除
ただし、税額控除の上限は、法人税額の20%相当額です。
なお、本制度が適用される要件として、取得した設備による生産性向上や投資利益率が一定以上である必要があります。
先端設備→最新モデルであり、年平均1%以上の生産性向上
生産ライン・オペレーションの改善設備→投資計画における投資利益率が年平均15% 以上(中小企業者等は5%以上)
また、本制度の適用を受けるには、企業規模に限らず、公認会計士・税理士の事前確認が必要です。
以上により正解は、(1)地方法人税 (2) 2 (3) 3
(4) 5 (5) 15 (6) 公認会計士、税理士(いずれか1つの記載で可)
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