問54 2015年9月応用
問54 問題文
《設例》の【財務データ】に基づいて、Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
「X社とY社の財務データについて比較検討すると、売上高はX社がY社の約1.30倍ですが、総資産経常利益率ではX社の値が約( 1 )%、Y社の値が約□□□%であり、Y社の資産効率のほうがよいといえます。その要因を、売上高経常利益率と( 2 )の2指標に分解して比較すると、前者についてはX社の値が約2.63%、Y社の値が約4.59%、後者についてはX社の値が約1.24倍、Y社の値が約1.28倍であり、Y社のほうが売上高に対する経常的な利益の割合、いわゆる利幅がより高いことがわかります。
また、株主への利益還元の度合いを測る指標である( 3 )で比較すると、X社の値が37.50%であるのに対してY社の値が約( 4 )%であり、X社のほうが株主への利益還元の度合いが高いといえます」
問54 解答・解説
複数の財務指標による指標値算出に関する問題です。
まず、総資本は資本と負債の合計ですから、総資産と値は同じ(総資本=総資産)なため、
財務データ上の「資産合計」=総資本=総資産 ということになります。
総資産(総資本)経常利益率は、経常利益に対する資本効率を示す指標で、ROA(使用総資本事業利益率)の代用指標としても用いられます。
計算式は、総資産経常利益率=経常利益/総資産×100です。
]社の総資産経常利益率=46,000÷1,415,000×100≒3.25%
Y社の総資産経常利益率=62,000÷1,055,000×100≒5.88%
となり、問題文の通りY社がX社を上回っています(約1.81倍)。
次に、総資産(総資本)経常利益率は、売上高経常利益率と使用総資本回転率に分解できます。
売上高経常利益率=経常利益/売上高
使用総資本回転率=売上高/総資本 ですので、
総資産(総資本)経常利益率=売上高経常利益率×使用総資本回転率 となるわけです。
]社の使用総資本回転率=1,750,000÷1,415,000=1.236≒1.24回
Y社の使用総資本回転率=1,350,000÷1,055,000=1.279≒1.28回
となり、問題文の通りY社がX社を上回っています。
なお、使用総資本回転率は、総資本をどれだけ効率的に使っているかを示すもので、総資本が売上高によって何回新しいものになるか、を回転数で表します(売上高が総資本の何倍か、でも表すことがあります)。
さらに、配当性向=1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益×100(%)で、当期純利益のうち配当に回した割合を示しているため、配当性向が高い銘柄ほど、株主に対する利益還元の割合が高いと考えることができます。
]社の配当性向=9,000÷24,000×100=37.50%
Y社の配当性向=11,000÷33,000×100≒33.33%
となり、問題文の通りX社がY社を上回っています。
以上により正解は、(1)3.25(%) (2) 総資産(資本)回転率 (3) 配当性向
(4)33.33(%)
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