問42 2015年10月基礎
問42 問題文
贈与契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 定期贈与契約は、契約期間の満了前に受贈者が死亡することによってその効力を失うが、贈与者が死亡したときは、その贈与者の相続人が引き続き契約期間満了まで贈与をしなければならない。
2) 死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立する。
3) 負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。
4) 負担付贈与契約は、双務契約に関する規定が準用され、受贈者が負担を履行しない場合には、贈与者は負担付贈与契約を解除することができる。
問42 解答・解説
贈与契約に関する問題です。
1) は、不適切。定期贈与契約は、口頭でも書面でも、特約がない限り、贈与者・受贈者のいずれか一方が死亡した場合に効力は消滅します(定期贈与契約=定期の給付を目的とする贈与)。
2) は、不適切。死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用されますが、お互いの合意により契約締結しますので、受贈者の承諾がないと、贈与者の意思だけで締結することは出来ません。
ただし、死因贈与契約の撤回(取消)は、贈与者の意思だけで行うことが出来ます。
3) は、不適切。負担付贈与契約は、贈与契約締結の際に受贈者に一定の負担を課す贈与ですが、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られません。
4) は、適切。負担付贈与契約は、一般の贈与と異なり双務契約の規定が準用されるため、受贈者が負担を履行しない場合には、贈与者は贈与契約を解除することができます。
ちなみに「双務契約」とは、当事者双方がお互いに対価的な債権・債務を有する契約で、売買契約のように売主は買主に商品を引き渡す義務を負い、買主は売主に対価として代金を支払う義務を負う契約のことです。
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