問65 2016年9月応用

問65 問題文と解答・解説

問65 問題文

相続税に関する以下の文章TおよびUの下線部(1)〜(3)のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。

T 「 被相続人の配偶者が当該被相続人から相続または遺贈により財産を取得し、『配偶者に対する相続税額の軽減』(以下、『本制度』という)の適用を受けた場合、配偶者が納付すべき相続税額の計算上、原則として、(1)相続税の総額に、『相続税の課税価格の合計額に配偶者の法定相続分を乗じて算出した金額(1億6,000万円に満たない場合は1億6,000万円)と配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額のうちいずれか少ない金額』が相続税の課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額を控除することができる。本制度の対象となる配偶者は、(2)相続が開始した日において当該被相続人との婚姻期間が10年以上である配偶者に限られる
なお、原則として、相続税の申告期限までに分割されていない財産は本制度の対象とならないが、相続税の申告書に『申告期限後3年以内の分割見込書』を添付し、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、(3)分割が成立した日の翌日から4カ月以内に更正の請求をすることによって、本制度の適用を受けることができる

U 「相続税の申告書を提出すべき者は、原則として、(1)その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に被相続人の納税地の所轄税務署長に相続税の申告書を提出しなければならない
相続税の納付方法は、原則として、金銭一括納付である。ただし、相続税額が10万円を超え、かつ、金銭で納付することを困難とする事由がある場合、その納付を困難とする金額の範囲内で延納を申請することができる。延納をする場合、原則として担保を提供する必要があるが、(2)延納税額が200万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はない
また、相続税について、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められている。(3)物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった一定の相続財産のうち、国債、地方債、不動産、株式、動産等の財産で、その所在が日本国内にあるものとされている

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問65 解答・解説

相続税の配偶者控除、相続税の申告期限・延納・物納に関する問題です。

T
(1)は、適切。「配偶者に対する相続税額の軽減」の規定(相続税の配偶者控除)の適用を受けた場合、配偶者の法定相続分相当額、または1億6,000万円までは相続税がかかりません
軽減額の計算式は、以下のとおり。
配偶者の税額軽減額=相続税の総額×(T)と(U)のうち少ない方/課税価格の合計額
(T) 課税価格の合計額×配偶者の法定相続割合
  ※(T)が1億6000万円に満たない場合は、1億6000万円
(U) 配偶者の課税価格(実際の取得額)

(2)は、不適切。「配偶者に対する相続税額の軽減(相続税の配偶者控除)」は、被相続人の配偶者が財産を取得した場合に、法定相続分相当額、または1億6,000万円のいずれか高い方までは、相続税がゼロになる特例ですが、婚姻期間による制限はありません

(3)は、適切。配偶者の相続税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されるため、相続税の申告期限までに配偶者に分割されていない財産は税額軽減の対象になりません
ただし、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告期限から3年以内に分割した場合や、やむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けて、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割された場合には、税額軽減の対象になります。
なお、相続税の申告後の遺産分割により配偶者の税額軽減を受けるには、分割日の翌日から4ヶ月以内に更正の請求が必要です。

U
(1)は、適切。相続税の申告と納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に行うことが必要です。

(2)は、不適切。延納する場合、延納税額と利子税額相当の担保の提供が必要ですが、平成27年4月以降、延納税額が100万円以下で、延納期間が3年以内の場合、担保不要です(以前は50万円未満だったのが引き上げられ、延納税額100万円超か延納期間3年超で、担保が必要となりました)。

(3)は、適切。物納できる財産には順位があり、第1順位は国債、地方債、不動産、船舶、第2順位は社債、株式、第3順位は動産とされており、日本国内に所在しているものが対象です。

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