問65 2018年1月応用
問65 問題文
X社による自己株式の買取りに関する以下の文章の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。
「会社が個人株主との合意により自己株式を株主総会決議によって取得する場合、取得の財源については、自己株式の取得が剰余金の分配とされることから、取得価額の総額が( 1 )額を超えることはできない。また、取得した株式は、実質的に資本の払戻しと考えられるため、貸借対照表においては資産計上せず、取得価額をもって( 2 )の部の控除項目として表示することになる。
X社がAさんの弟FさんからX社株式を買い取るためには、特定の株主からの取得となるため、X社の株主総会の特別決議が必要となる。特別決議とは、原則として、総株主の議決権の過半数に当たる株式を有する株主が株主総会に出席し、その出席株主の議決権の( 3 )以上に当たる多数をもって行われる決議である。ただし、Fさんは、原則としてこの株主総会において議決権を行使することができないため、Aさんが賛成すれば、X社はFさん所有の株式を適法に買い取ることができる。
Fさんが、X社株式をX社に譲渡した場合、譲渡価額のうち当該株式に対応する( 4 )の額を超える部分の金額については、( 5 )所得として総合課税の対象となる。
なお、仮に、Fさんが死亡し、Fさんの相続人がX社株式を相続により取得した場合に、X社が定款の定めによりFさんの相続人に対してX社株式の売渡請求を行うときには、X社は相続があったことを知った日から( 6 )年以内に相続人に対して売渡しを請求しなければならない」
問65 解答・解説
金庫株に関する問題です。
自己株式の取得は剰余金の分配とされるため、株主への配当と同様に、剰余金の分配可能額を超えて自己株式の取得を行うことはできません。
また、自己株式の取得は、実質的に株主に対する資本の払戻しと考えられるため、いわゆる資産を取得したとされず、貸借対照表上では「資産の部」には計上されません。
その代わり、取得価額で「純資産の部」の株主資本の区分に、控除項目として計上(例:自己株式 △5,000千円)されます。
株式を発行した会社自身が、その自己株式を取得する場合(金庫株)、取得する株式数や取得代金等に関する株主総会決議さえあれば、いつでも、何度でも取得可能です。ただし、特定の者から買い受ける場合には、株主総会の特別決議が必要です。
また、特別決議は議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の議決権の3分の2以上により決議します。
なお、売主である相続人は原則として議決権を行使できません。
また、個人が非上場株式をその発行会社に譲渡した場合、買い取ってもらった金額のうち資本金等の額を超える分については、「みなし配当」(配当所得)となります(相続や遺贈で取得した株式の場合は、譲渡所得とされます)。
みなし配当の課税関係は、総合課税として累進税率が適用されます。つまり、普通の配当所得と同じです(「配当としてみなす」のだから当たり前と言えば当たり前ですが)。
なお、相続人が承継した株式の売渡し請求は、相続があったことを知った日から1年以内に行わなければなりません。
以上により正解は、(1)分配可能(額) (2)純資産(の部) (3)3分の2(以上)
(4)資本金等(の額) (5)配当(所得) (6)1(年)
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