問59 2019年1月応用
問59 問題文
法人税における交際費等の損金不算入および欠損金の繰越控除に関する以下の文章IおよびIIの下線部(1)〜(3)のうち、最も不適切なものをそれぞれ1つ選び、その適切な内容について簡潔に説明しなさい。なお、本問において、法人は設立後10年以上経過した普通法人であり、大法人に完全支配されている法人等ではないものとする。
〈交際費等の損金不算入〉
I 法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出した交際費等のうち、(1)一定の接待飲食費については、当該法人が中小法人であるかどうかにかかわらず、その額の50%相当額を損金の額に算入することができる。
また、事業年度終了の日における資本金の額または出資金の額が1億円以下の中小法人については、その事業年度において支出した交際費等のうち、(2)定額控除限度額である年600万円を限度として損金の額に算入することができる。
なお、法人が支出した飲食等のために要した一定の費用であって、(3)飲食等の参加者1人当たり5,000円以下の費用で所定の事項を記載した書類が保存されているものについては、交際費等から除かれる。
〈欠損金の繰越控除〉
II 前事業年度以前に生じた欠損金額を、所得の金額の計算上、損金の額に算入することができる法人は、(1)欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している法人とされている。
この欠損金の繰越控除の規定により、平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する事業年度において損金の額に算入することができる欠損金額は、事業年度終了の日における資本金の額または出資金の額が1億円以下の中小法人については、繰越欠損金控除前の所得の金額が限度となり、(2)中小法人以外の法人については、繰越欠損金控除前の所得の金額の55%相当額が限度となる。
なお、(3)平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は、最長で10年となる。
問59 解答・解説
交際費の損金不算入・欠損金の繰越控除に関する問題です。
〈交際費等の損金不算入〉
I 資本金1億円超の法人は、交際費のうち、飲食用の支出の50%まで損金算入可能で、資本金1億円以下の法人は、交際費のうち800万円まで、または飲食用の支出の50%までは損金算入することができます(有利な方を選択可能)。
また、1人当たり5,000円以下の社外の人との飲食費等で、所定の事項を記載した書類も保存されている場合の金額は、税務上損金不算入となる交際費に含まれません。
〈欠損金の繰越控除〉
II 青色申告法人は、過去の事業年度で赤字(欠損金)があれば、今期の黒字(所得)と相殺することが出来ます(災害損失金については青色申告法人でなくても繰越可能)。これが欠損金の繰越控除といわれるもので、欠損金の繰越控除が適用されるのは、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金で、翌事業年度以降も確定申告しなければなりません(ただし、青色申告でなく白色申告でも適用されます。)。
青色申告をしている資本金1億円以下の中小企業等であれば、欠損金の繰越控除として、各事業年度の所得金額を限度に、損金算入できます。
これに対し、資本金1億円超の法人は、平成30年4月1日以後の事業年度では、欠損金の繰越控除は各事業年度の所得金額の50%が限度です。
なお、資本金の額に関わらず、欠損金の繰越控除の期間は、平成30年度以降は10年間です。
以上により正解は、
I :(2) 定額控除限度額である年800 万円を限度として損金の額に算入することができる。
II:(2) 中小法人以外の法人については、繰越欠損金控除前の所得の金額の50%相当額が限度となる。
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