問1 2019年5月基礎
問1 問題文
ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有している者のみが行うことができる業務であるものとし、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。
1) 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「年金受給額の試算」は、社会保険労務士の独占業務である。
2) 税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。
3) 司法書士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、司法書士の独占業務である。
4) 不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。
問1 解答・解説
FP倫理と関連法規に関する問題です。
1) は、不適切。社会保険労務士法で定められている社会保険労務士の独占業務は、労基署やハローワーク、年金事務所等に提出する申請書や届出書の作成・提出手続きの代行(1号業務)、行政への申請・届出等や行政からの調査・処分等に対する主張・陳述等の、行政に対する事務代理(1号業務)、賃金台帳等の帳簿書類の作成(2号業務)です(いずれも、報酬を得て業務として行うことが前提)。
よって、公的年金の請求手続きの代行等は、弁護士・社労士資格のないFPはできませんが、公的年金制度改正に関する説明や顧客の公的年金の受給見込み額の計算を行うことは、弁護士・社労士資格のないFPでも可能です。
なお、社会保険労務士法には3号業務として「労働・社会保険に関する事項についての相談・指導」も記載されていますが、3号業務は独占業務ではなくいわゆるコンサルティング業務に該当するため、社労士資格がなくても業務として実施可能です。
2) は、適切。税理士法で定められている税理士の独占業務は、税務代理行為・税務書類の作成・税務相談の3つで、税理士資格のないFPは、顧客からの要請があったとしても、顧客情報に基づく個別の税額計算を行うことや、具体的な意見を表明するといった、税理士の独占業務を行うことは、有償・無償を問わず、できません。
3) は、適切。司法書士法で定められている司法書士の主な独占業務は、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」や「法務局に提出する書類の作成」で、司法書士資格のないFPは、顧客からの要請があったとしても、不動産の権利に関する登記といった、司法書士の独占業務を行うことは、有償・無償を問わず、できません。
4) は、適切。不動産の鑑定評価に関する法律において定められている不動産鑑定士の独占業務は、不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示する「不動産の鑑定評価」です(報酬を得て業務として行うことが前提)。
よって正解は、1
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