問16 2019年5月基礎
問16 問題文
わが国の物価指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 消費者物価指数が算出の対象としている財には、原油などの原材料、電気部品などの中間財、建設機械などの設備機械は含まれていない。
2) 企業物価指数は、企業が生産した財の出荷時の価格や企業が提供したサービスの価格の変動を、各品目の取引総額に応じたウェイトを加味して測定したものである。
3) 原油価格などの輸入品価格の上昇は、その上昇分が国内の製品価格等にすべて転嫁されない限り、GDPデフレーターの下落要因となる。
4) 消費者物価指数は総務省から毎月公表され、企業物価指数は日本銀行から毎月公表されるのに対し、GDPデフレーターは内閣府から四半期ごとに公表される。
問16 解答・解説
経済指標に関する問題です。
1) は、適切。消費者物価指数は、一般消費者(家計)が購入する商品やサービス価格の動向を示した指数です(総務省が毎月発表)ので、原材料・中間財・設備機械は対象外です。
原油等の原材料、電気部品等の中間財、建設機械等の設備機械を算出対象とするのは、企業間や貿易で取引される商品の取引価格の変動を示す企業物価指数です(日銀が発表)。
2) は、不適切。企業物価指数は、企業間で取引される商品の取引価格の変動を示すもの(各品目の取引総額に応じたウェイトを加味して測定)で、サービス価格は含まれません。
3) は、適切。GDPデフレーターは、物価変動による名目値の影響を調整する価格指数で、国内生産における全ての物・サービスの付加価値の価格水準(輸入原材料の価格を除く)を示す指数です。
「GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP」で算出されますが、GDP(国内総生産)は、一定期間に国内で生産された財やサービスなどの付加価値の総額のことですから、名目GDPや実質GDPを算出する際には、輸入額を差し引きます。
ここで、原油等の輸入品価格の上昇により輸入額が増加した場合、物価変動分を調整しない名目輸入額は増加しますが、物価変動分を調整する実質輸入額は増加しません。このため、輸入額の増加は名目GDPの減少につながり、価格上昇分が国内価格に全て転嫁されるまでは、GDPデフレーターの下落要因となります。
GDPデフレーターは物価水準を示す指標の一つではありますが、上記のような特徴もあるため、体感的には物価上昇していても、指数上は物価が下落していることになってしまうことがあります。
4) は、適切。消費者物価指数は、一般消費者(家計)が購入する商品やサービス価格の動向を示した指数で、総務省が毎月発表し、企業物価指数は、企業間で取引される商品の取引価格の変動を示すもので、日銀が毎月発表します。
これに対し、GDPデフレーターは、国内生産における全ての物・サービスの付加価値の価格水準(輸入原材料の価格を除く)を示す指数で、内閣府が四半期ごとに発表します。
消費者物価指数や企業物価指数と比べて、GDPデフレーターはより幅広い範囲の物価水準を示すことが可能ですが、3ヶ月ごとの発表となるため、情報の即時性には劣る弱点があります。
よって正解は、2
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