問47 2019年9月基礎

問47 問題文と解答・解説

問47 問題文

Aさんは、父から建物の敷地となっている下記のX土地、Y土地(借地権)、Z土地を相続により取得した。X土地、Y土地(借地権)、Z土地の相続税評価額の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。

●X土地
・Aさんは、父から固定資産税程度の地代で借り受けているX土地にアパートを建築して、第三者に賃貸(入居率は100%)していた。
・X土地の自用地評価額は3,000万円、借地権割合は60%、借家権割合は30%である。

●Y土地(借地権)
・Aさんの父は、借地権(定期借地権等ではない)を有するY土地にアパートを建築して、第三者に賃貸(入居率は100%)していた。
・Aさんは、Y土地の底地(借地権の目的となっている土地)を第三者である地主から買い取り、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署長に提出していた。Aさんは、父から地代を収受していない。
・Y土地の自用地評価額は5,000万円、借地権割合は60%、借家権割合は30%である。

●Z土地
・Aさんの父は、第三者であるB株式会社にZ土地を通常の地代で貸し付けていたが、権利金は収受していない。Z土地については「土地の無償返還に関する届出書」が税務署長に提出されている。
・B株式会社はZ土地にアパートを建築して、第三者に賃貸(入居率は100%)していた。
・Z土地の自用地評価額は4,000万円、借地権割合は60%、借家権割合は30%である。

1) 7,760万円

2) 8,300万円

3) 9,100万円

4) 9,760万円

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問47 解答・解説

個人間の土地の使用貸借に関する問題です。

まずX土地ですが、固定資産税程度の地代で土地を借りて、「自分で」建物を建築し、第三者に賃貸しています。この場合相続税評価額は、自用地となります。
地代の支払いが固定資産税程度であれば、土地の使用貸借とみなされるため、土地の使用権は相続税評価上はゼロとされます(借地権の価値ゼロ)。
よって、X土地の相続税評価額=3,000万円

次にY土地ですが、親の借地権がある土地の底地を、その子どもが地主から買い取った場合に、そのまま親が無償で土地を借りるとき、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を所轄税務署長に提出すると、贈与としてみなされません
しかし、親が死亡し親の相続開始時には、借地権は親の相続財産として相続税の課税対象となります。

土地を借りて、その上に貸家を建て、第三者に賃貸しているような場合、貸家の敷地となっている借地権は、貸家建付借地権として評価します。
貸家建付借地権の評価額=借地権価額−借地権価額×借家権割合×賃貸割合
           =自用地評価額×借地権割合×(1−借家権割合×賃貸割合)

よって、Y土地(借地権)の相続税評価額=5,000万円×60%×(1−30%×100%)=2,100万円

最後に、Z土地ですが、借地権が設定されている土地で、「土地の無償返還に関する届出書」が税務署長に提出されている場合、その土地の借地権の価額は、評価せず0円とします。
借地権を設定していても、借りている土地を無償で返還する(借地権の買取なし)ことになるため、土地の使用権は経済的価値が極めて低いと考えられ、相続税評価上はゼロとなるためです。
ただし、借地権の評価が0円とはいえ、実際に土地が使用されていれば、借地人への法的保護も発生しますし、地主にとっては賃貸借契約により土地利用が制約されるため、貸宅地について「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合は、借地権割合を20%として、その土地の相続税評価額を算出します。
貸宅地の評価額=自用地評価額−借地権評価額=自用地評価額×(1−借地権割合)
※借地権評価額=自用地評価額×借地権割合
よって、Z土地の相続税評価額=4,000万円×(1−20%)=3,200万円

以上によりX土地・Y土地(借地権)・Z土地の評価額の合計は、
3,000万円+2,100万円+3,200万円=8,300万円

よって正解は、2

問46      問48

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