問49 2019年9月基礎
問49 問題文
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 本特例の対象となる後継者は、旧代表者の推定相続人のうち、旧代表者から贈与により非上場株式を取得したことにより特例中小企業者の総株主の議決権の過半数を保有し、かつ、合意時点において当該特例中小企業者の代表者である者に限られる。
2) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について除外合意と固定合意の双方またはいずれか一方の合意をする場合、旧代表者の推定相続人全員で合意をし、公正証書によりその旨を定めた合意書を作成しなければならない。
3) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について固定合意をする場合、併せて、後継者が当該旧代表者から贈与を受けた非上場株式以外の事業用財産について固定合意をすることができる。
4) 本特例の合意は、後継者が合意をした日から1カ月以内に経済産業大臣の確認を申請し、当該確認を受けた日から1カ月以内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を受けることによって、その効力を生ずる。
問49 解答・解説
遺留分に関する民法の特例に関する問題です。
1) は、不適切。遺留分に関する民法の特例を受けるには、合意時点でその中小企業の代表者であり、現経営者からの贈与等で株式を取得し会社の議決権の過半数を保有していることが必要です。
平成28年4月1日以降の合意に関しては、後継者が先代経営者の推定相続人以外の場合も適用対象となっています。
2) は、不適切。「遺留分に関する民法の特例」の適用を受けるには、推定相続人と後継者全員の書面による合意が必要ですが、公正証書である必要はありません。
3) は、不適切。遺留分に関する民法の特例では、非上場株式の除外合意や固定合意において、後継者以外の推定相続人が旧代表者から贈与された自社株式や、後継者が旧代表者から贈与された自社株式以外の財産について、遺留分算定基礎財産価額に算入しないという、除外合意をすることも可能ですが、固定合意はできません。
4) は、適切。遺留分に関する民法の特例を受けるには、推定相続人全員の合意を得た上で、書面により一定の内容を定め、後継者が合意日から1ヶ月以内に経済産業大臣の確認と、その確認日から1ヶ月以内に家庭裁判所に申立てを行い、許可を受ける必要があります。
よって正解は、4
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