問50 2019年9月基礎
問50 問題文
2019年度税制改正により創設された「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除」(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 本制度の適用を受けるためには、後継者である相続人は、相続税の申告期限において、特定事業用資産に係る事業について開業の届出書を提出しており、かつ、青色申告の承認を受けているまたは受ける見込みがなければならない。
2) 本制度の対象となる特定事業用資産は、被相続人の事業の用に供されていた宅地等または建物に限られ、宅地等については400u以下の部分、建物については床面積800u以下の部分が対象となる。
3) 相続または遺贈により特定事業用資産を取得した相続人が本制度の適用を受ける場合、当該相続における相続税額の計算上、特定事業用宅地等について「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることはできない。
4) 相続または遺贈により特定事業用資産を取得した相続人が本制度の適用を受けた場合、当該相続人が納付すべき相続税額のうち、本制度の適用を受ける特定事業用資産の課税価格に対応する相続税額の全額の納税が猶予される。
問50 解答・解説
事業承継における相続税の納税猶予・免除に関する問題です。
1) は、適切。個人版事業承継税制(個人事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予・免除)の適用を受けるには、後継者である相続人が、贈与税や相続税の申告期限までに対象となる事業の開業届出書を提出し、青色申告の承認済みもしくは承認見込みであることが必要です。
2) は、不適切。個人版事業承継税制(個人事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予・免除)の対象となる特定事業用資産は、被相続人の事業用の宅地等・建物のほか、自動車や乳牛・果樹等の生物、特許権等の無形固定資産といった減価償却資産です。なお、宅地等は400u以下、建物は床面積800u以下の部分が対象です。
3) は、適切。個人版事業承継税制(個人事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予・免除)の適用を受ける場合、特定事業用宅地については小規模宅地の特例を受けられません。なお、特定同族会社事業用宅地や貸付事業用宅地の場合は、一定の面積までとする適用制限がありますが、特定居住用宅地については適用制限がなく小規模宅地の特例を受けられます。
4) は、適切。個人版事業承継税制(個人事業用資産の贈与税・相続税の納税猶予・免除)の適用を受けると、特定事業用資産の課税価格に対応する贈与税や相続税の全額が納税猶予されます。
よって正解は、2
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