問33 2021年5月基礎
問33 問題文
消費税の簡易課税制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、納付すべき消費税額(地方消費税額を含む)が最も低くなるようにみなし仕入率を適用するものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
〈簡易課税制度におけるみなし仕入率〉
第1種事業:90%
第2種事業:80%
第3種事業:70%
第4種事業:60%
第5種事業:50%
第6種事業:40%
1) 全体の課税売上高に占める第1種事業の割合が60%、第3種事業の割合が40%である場合、みなし仕入率は、第1種事業に係る消費税額に90%を適用し、第3種事業に係る消費税額に70%を適用する。
2) 全体の課税売上高に占める第1種事業の割合が95%、第3種事業の割合が5%である場合、みなし仕入率は、第1種事業および第3種事業のいずれの消費税額にも90%を適用する。
3) 全体の課税売上高に占める第1種事業の割合が20%、第3種事業の割合が80%である場合、みなし仕入率は、第1種事業および第3種事業のいずれの消費税額にも70%を適用する。
4) 全体の課税売上高に占める第1種事業の割合が50%、第2種事業の割合が35%、第5種事業の割合が15%である場合、みなし仕入率は、第1種事業に係る消費税額に90%を適用し、第2種事業および第5種事業のいずれの消費税額にも80%を適用する。
問33 解答・解説
消費税に関する問題です。
1) は、適切。消費税の簡易課税制度は、実際に仕入れ等で支払った消費税額を計算せずに、一定のみなし仕入率で控除対象仕入れ税額を計算できる制度ですが、簡易課税制度では、業種を第1種〜第6種までの6つに区分しており、それぞれみなし仕入率が異なります。2種類以上の事業を兼業している場合、1つの事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占めていれば、その事業のみなし仕入率を他の事業に対しても適用可能です。
よって本問の場合、第1種と第3種のどちらも全体の課税売上高の75%に達していないため、それぞれの業種に定められたみなし仕入率を適用します。
2) は、適切。消費税の簡易課税制度は、実際に仕入れ等で支払った消費税額を計算せずに、一定のみなし仕入率で控除対象仕入れ税額を計算できる制度ですが、簡易課税制度では、業種を第1種〜第6種までの6つに区分しており、それぞれみなし仕入率が異なります。2種類以上の事業を兼業している場合、1つの事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占めていれば、その事業のみなし仕入率を他の事業に対しても適用可能です。
よって本問の場合、第1種が全体の課税売上高の75%以上に達しているため、第1種のみなし仕入率90%を第3種にも適用可能です。
3) は、不適切。2種類以上の事業を兼業している場合、1つの事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占めていれば、その事業のみなし仕入率を他の事業に対しても適用可能ですが、納税者が有利な方を選択可能ですので、みなし仕入率が低い事業が売上全体の75%以上を占める場合、他の事業はそれぞれ定められたみなし仕入率を適用できます。
よって本問の場合、第3種が全体の課税売上高の75%以上に達していますが、第3種のみなし仕入率70%を第1種にも適用する必要はなく、第1種にはみなし仕入率90%を適用可能です。
4) は、適切。3種類以上の事業を兼業していて、全体の課税売上高のうち2事業の課税売上高の合計が75%以上となる場合には、みなし仕入率が最も高い事業の課税売上高にその高いみなし仕入率を適用し、75%に含まれない事業も含めたそれ以外の事業の課税売上高には、その2種類の事業のうち低い方のみなし仕入率を適用します。
よって本問の場合、第1種と第2種の合計で全体の課税売上高の75%以上に達していますので、第1種のみなし仕入率90%を第1種に適用し、第2種のみなし仕入率80%を第2種と第5種に適用します。
よって正解は、3
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