問60 2022年1月応用

問60 問題文と解答・解説

問60 問題文

甲土地および乙土地の相続税評価に関する以下の文章の空欄(1)〜(5)に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。

〈甲土地の相続税評価額〉
I 「 甲土地に面する道路に付された路線価の後に表示されている記号『C』は、借地権割合が( 1 )%であることを示しています。甲土地の自用地価額を1億6,000万円、借地権割合( 1 )%、借家権割合30%、賃貸割合50%とした場合、甲土地の貸家建付地としての相続税評価額は( 2 )万円となります」

〈乙土地の相続税評価額〉
II 「 奥行距離30mの奥行価格補正率1.00、奥行距離50mの奥行価格補正率0.89、側方路線影響加算率0.08、規模格差補正率0.76とした場合、宅地であるとした場合の乙土地の1u当たりの価額は( 3 )円になります。現在、コインパーキングの敷地として駐車場運営会社に賃貸している乙土地は、自用地価額から賃借権相当額を控除することができると思われます。仮に、地上権に準ずる賃借権以外の賃借権の場合で賃借権の残存期間が5年以下とすると、自用地価額に( 4 )%を乗じた金額を自用地価額から控除することができます」

〈小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例〉
III 「Aさんが甲土地および乙土地を父親の相続により取得し、1u当たりの相続税評価額の高い甲土地の敷地の全部(空欄(2)の金額)について、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、相続税の課税価格に算入すべき甲土地の価額を( 5 )万円とすることができます」

〈相続税の総額〉
IV 「Aさんの父親の相続に係る課税価格の合計額を6億円と仮定した場合、相続税の総額は約2億円となります。納税資金が不足する可能性は高く、何らかの対応策を検討したほうが望ましいと思います」

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問60 解答・解説

宅地の相続税評価額・小規模宅地の特例に関する問題です。

〈甲土地の相続税評価額〉
I 路線価図には、各路線上に数字とアルファベットが記載されており、数字は路線価(1u当たり千円)、アルファベットは借地権割合で、A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%を示します。
また、自分が所有する土地に建築した家屋を、他に貸し付けている場合、建物は貸家、土地は貸家建付地として評価され、自用地評価よりも借地権や借家権の割合分が減額された相続税評価額となります(自分の土地にアパートを建てて賃貸している等)。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
よって本問の場合、甲土地の相続税評価額=1億6,000万円×(1−70%×30%×50%)=1億4,320万円

〈乙土地の相続税評価額〉
II 奥行価格補正率とは、奥行が極端に短かったり長かったりする場合は宅地の利用が難しくなることから、評価額を調整するために定められています。
また、側方路線影響加算率とは、正面のみが路線に面している宅地よりも、正面と側面も路線に面している宅地(角地)の方が利用しやすいため、評価額を調整するために定められています。

側方路線に面する宅地の自用地評価額=(A+B)×敷地面積
A:正面路線価×奥行価格補正率
B:側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率

つまり、奥行価格補正後の正面路線価に、奥行価格補正率と側方路線影響加算率を乗じた側方路線価を加算して求めます。
なお、正面路線とは、奥行価格補正後の金額が高い方の路線です。

資料の宅地では、路線価はどちらの路線も同価格であるため、正面路線は奥行距離30mで奥行価格補正率1.00の市道の方です。
乙土地の自用地評価額=(250千円/u×1.00+250千円/u×0.89×0.08)×1,500u
          =267.8千円/u×1,500u

さらに、土地面積が広すぎて道路や公園等の公共公益的施設の設置が必要となる宅地は、そのままでは土地活用が難しいことから、地積規模の大きな宅地として、三大都市圏では500u以上、三大都市圏以外の地域では1,000u以上の宅地について、規定された規模格差補正率により減額評価されます(路線価地域では、普通商業・併用住宅地区と普通住宅地区が適用対象)。
※普通商業・併用住宅地区や普通住宅地区とは、相続税評価における地区区分で、このほかビル街や繁華街といった宅地の目的別の区分により、相続税評価の補正率を定めています。

従って、規模格差補正率により減額評価された乙土地の評価額=267.8千円/u×0.76×1,500u=203.528千円×1,500u
よって乙土地の1u当たりの価額は203,528(円)です。

また、土地の所有者が第三者に駐車場経営のための土地を貸し付けている場合、車庫やアスファルト・砂利等の施設を造ることができる権利として扱われ、自用地評価額から法定の賃借権割合分を差し引いて評価します(駐車場の場合、建物を建てることができる借地権よりも、権利として弱い賃借権となります)。
賃借権は、地上権に準ずる賃借権(賃借権登記のあるもの、権利金・一時金の支払いがあるもの、堅固な構築物の所有目的のもの等)と、それ以外(地上権に準ずる賃借権以外の賃借権)がありますが、駐車場も含めたほとんどの場合は地上権に準ずる賃借権以外の賃借権であり、賃貸借契約の残存期間に応じた評価割合(5年以下2.5%〜15年超10%の5年刻み4段階)が定められています。
賃借権がある場合の駐車場評価額=自用地評価額 ×(1?残存期間に応じた評価割合)

〈小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例〉
III 小規模宅地の特例では、貸付事業用は200uを上限に50%減額となります(貸付継続の場合のみ)。
資料では、宅地の敷地面積が400uですから、200uまでが50%の減額計算となります。

小規模宅地の特例による評価減額=自用地評価額×適用上限/敷地面積×減額割合
=1億4,320万円×200u/400u×50%=3,580万円

よって、減額評価後の金額は、
1億4,320万円−3,580万円=1億740万円

以上により正解は、(1)70(%) (2)14,320(万円) (3)203,528(円)
(4)2.5(%) (5)10,740(万円)

第4問          問61

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