問54 2022年9月応用
問54 問題文
Mさんは、Aさんに対して、東京証券取引所における株式取引について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
「東京証券取引所に上場している内国株式を普通取引により売買する場合、売買が成立した日(約定日)から起算して( 1 )営業日目に決済されます。
注文方法には( 2 )注文や指値注文があり、前者は希望する売買価格を明示せず、希望する銘柄、売り買いの別および数量を指定して注文する方法です。
売買立会による売買は、競争売買により行われ、価格優先の原則と時間優先の原則に従って連続的に売買が成立していきます。( 3 )方式は、始値が決定された後に、立会時間中、継続して個別に行われる売買契約の締結方法で、( 3 )とは、寄付きと引けの間の時間のことをいいます。
売手と買手の指値を気配値といい、この気配値の売買注文状況を並べたものを板といいます。例えば、〈資料〉甲株の板の例のように、甲株の約定値段(板中心値段)が100円で、【1】から【3】の順に指値の売注文が発注された場合、その後、103円の指値の買注文300株が発注されると、最初に( 4 )円の売注文と約定し、買注文の残数量は200株となります。この買注文は、次に□□□円の売注文と約定します。買注文の残数量が100株となりますが、これは板にある最も安い値段の売注文である( 5 )円よりも安い値段であるため約定せず、103円の買注文100株が板に残ることになります。
上場株式の配当は、権利確定日時点で株主名簿に登録されている株主に対して支払われます。そのため、権利確定日を過ぎてから株主名簿に登録された株主は、その権利確定日にかかる期の配当を受け取ることができません。配当を受け取るためには、株式の発行会社が定めている権利確定日の( 6 )営業日前である権利付最終日までに株式を購入する必要があります」
〈資料〉甲株の板の例
問54 解答・解説
株式取引の決済日・取引方法・権利確定日に関する問題です。
株式取引において約定日から実際の決済日までの期間は、約定日から起算して3営業日です(約定日から2営業日後に決済)。
また、証券取引所での株式売買方法では、買値・売値を指定しない成行注文と、買値・売値を指定する指値注文がありますが、指値注文よりも成行注文が優先されます。
成行注文は、言うなれば相手の言い値で取引しますよ、という注文ですから、値段を指定する指値注文よりも優先されるわけです。
なお、売買が成立する仕組みにはザラバ方式と板寄せ方式があり、ザラバ方式とは、その日の最初の取引(寄り付き)から、最終の取引(引け)までの時間であるザラバにおいて、売買注文が出されたらその都度売買を成立させる取引方法です。
※ザラバ:ザラにある普通の場(ザラ場)
これに対し、板寄せ方式は、取引時間外の売買注文を整理し、売り・買いの注文が合致する価格で売買を成立させる取引方法です。
よって、本問のように約定値段が100円で、【1】100株102円、【2】100株104円、【3】100株100円で売注文が出た後に、300株103円の買注文が出ると、最初に最も安く買える【3】100円で100株の売注文と約定することになります。
残った買注文200株のうち、100株は次に安い【1】102円で100株の売注文と約定することになります。そして、最後に残った買注文100株103円については【2】104円よりも安い金額であるため、売買が成立せず、103円の買注文100株が残ることになります。
また、株式を保有すると、配当金や株主優待を受ける権利がありますが、株式取引において約定日から実際の決済日までの期間は、約定日を含めて3営業日です(約定日から2営業日後に決済)ので、配当や株主優待の権利を得るためには、権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)に約定している必要があります。
以上により正解は、(1)3(営業日) (2)成行(注文) (3)ザラバ(ザラ場)
(4)100(円) (5)104(円) (6)2(営業日)
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