問10 2023年1月基礎

問10 問題文と解答・解説

問10 問題文

外貨建保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 個人が加入した外貨建養老保険(一時払い)を契約締結日から5年以内で解約し、解約差益が発生した場合、一時所得として総合課税の対象となる。

2) 外貨建終身保険(平準払い)において、毎回一定額の外貨を保険料に充当する払込方法を選択することにより、ドルコスト平均法により為替変動リスクを軽減する効果が期待できる。

3) 外貨建終身保険(平準払い)について、円換算支払特約を付加することで、死亡保険金や解約返戻金を円貨で受け取ることが可能になり、為替変動リスクを軽減する効果が期待できる。

4) 市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、契約時と比較した解約時の市場金利の上昇は、解約返戻金額の減少要因となる。

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問10 解答・解説

外貨建て保険の一般的な特徴に関する問題です。

1) は、不適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
なお、契約から解約まで5年超の場合、外貨建養老保険の解約返戻金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象です。

2) は、不適切。ドルコスト平均法は、金融商品を一定間隔で一定金額ずつ購入する方法で、金融商品の価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入することができるため、投資時期を分散して価格変動リスクを軽減することができます。
よって、毎回一定額の外貨を保険料に充当する場合には、為替変動に関わらず外貨建ての保険料額は変わらないため、ドルコスト平均法が適用されません(当口数投資)。これに対し、毎回一定額の円貨を保険料に充当する場合には、毎回支払う外貨の保険料額は円高時は多く、円安時には少なくなるため、ドルコスト平均法が適用されます。

3) は、不適切。円換算支払特約は、外貨建て保険の保険金・年金等を円貨で受け取るために、請求のたびに付加する特約ですが、為替変動による損失を回避することはできません為替リスクを回避するなら、通貨先物やオプション取引等による為替ヘッジがある保険を選ぶことが必要です。

4) は、適切。市場価格調整(MVA)とは、解約返戻金が解約時の市場金利に応じて増減する仕組みのことで、終身保険・個人年金保険・養老保険等で利用されます。
保険が中途解約されると、保険会社は運用中の債券を売却して解約返戻金を捻出しますが、金利が上がれば債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。
従って、解約時の市場金利が契約時より上昇していると、解約返戻金が減少し、下落していると増加することがあるわけです。
※MVA=Market Value Adjustment(市場価格調整)

よって正解は、4

問9      問11

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