問24 2023年1月基礎

問24 問題文と解答・解説

問24 問題文

行動ファイナンスに関する一般的な次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) プロスペクト理論の価値関数は、横軸を利益・損失、縦軸を価値(効用)としたグラフ上において利益曲線が損失曲線よりも傾きが急であるS字型で表され、利益と損失が同じ金額であれば、利益のほうが価値(効用)に及ぼす影響が大きいことを示している。

2) 最初に提示された価格などの値は、その値が妥当な水準であれば、その後の判断に強く影響を及ぼすが、妥当な水準から大きく外れている場合、その後の判断に影響を与えないとされる。

3) 投資家がある選択をする場合、これから支出する費用と得られる便益を考慮し、選択前に既に支払っていた費用は、その選択に影響を及ぼさない傾向があるとされる。

4) 投資家は、価値(効用)を判断するにあたって、価値(効用)の絶対的な水準よりも利益と損失の判断を分ける基準点からの変化の大きさによって価値(効用)を決定する傾向があるとされる。

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問24 解答・解説

行動ファイナンスに関する問題です。
行動ファイナンスは、従来の経済学における「人間は合理的な行動・選択をする」という前提に捉われず、人間の心理や感情を考慮した「人間の非合理性」に着目した投資理論です。

1) は、不適切。行動ファイナンスでは、投資家は、利益が出ている局面ではできるだけ確実な利益を得られるような選択肢を選ぶリスク回避的行動を取るのに対し、損失が出ている局面ではより損失が出るリスクを負ってでも利益を得ようとするリスク追求的になる傾向(反転効果)があるとされ、行動ファイナンスにおけるプロスペクト理論では、このような認知バイアスを取り込んで、価値関数として選好を表現しています。
従って、プロスペクト理論の価値関数は、横軸を利益・損失、縦軸を価値(効用)としたグラフ上で利益よりも損失の方がが急な傾きとなるS字型で表され、利益と損失が同額であれば、損失の方が価値(効用)への影響が大きいことを示しています。


2) は、不適切。行動ファイナンスでは、投資家が価値を判断する際、最初に提示された特定の情報を偏重して投資判断をしてしまうアンカリング効果があるとされており、最初に提示された情報が妥当な水準から大きく外れていたとしても、その後の判断に影響を与えるとされています。
つまり、通常ジュース1本は数百円であり、新製品が割高な千円超で発売されたとしても、その後その製品が相場通りの数百円になれば、「割安になった」「お得」「今のうちに買おう」という判断をしがちであるということです。

3) は、不適切。行動ファイナンスでは、投資家がある選択をする場合、今後の支出と利益を考慮した上で、既に支払い済みの費用がその後の選択に影響してしまう傾向(コンコルド効果)があるとされています。
コンコルド効果はサンクコスト効果や埋没費用効果とも言われ、今まで費やしたお金や時間がもったいなくて、無理に投資を続けてしまうことを示しています。

4) は、適切。行動ファイナンスでは、投資家が価値を判断する際、価値の絶対的な水準よりも利益と損失の判断を分ける基準点(参照点)からの変化の大きさによって価値を決定する傾向(参照点依存性)があるとされています。
つまり、絶対的な水準である価格が同じ商品でも、「定価の2割引き」や「隣の店より2割高い」といった投資家それぞれの基準により、その商品が高いか安いかの価値を決める傾向があるというわけです。

よって正解は、4

問23      問25

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