問45 2023年1月基礎

問45 問題文と解答・解説

問45 問題文

相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) Aさんが購入した不動産について、所有権の移転登記が行われる前にAさんの相続が開始し、当該不動産をAさんの配偶者が相続により取得した場合、当該不動産は、相続税の課税対象とならない。

2) 老齢基礎年金の受給権者であるBさんが死亡し、その死亡後に支給期が到来するBさんの年金をBさんの配偶者が受け取った場合、当該年金は、相続税の課税対象とならない。

3) 金銭信託の委託者であるCさんの死亡に基因して当該信託の効力が生じ、Cさんの子が適正な対価を負担せずに当該信託の受益者となった場合、当該信託に関する権利は、相続税の課税対象とならない。

4) 特別寄与者であるDさんが支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合、当該特別寄与料の額に相当する金額は、相続税の課税対象とならない。

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問45 解答・解説

相続税の課税財産に関する問題です。

1) は、不適切。土地の売買契約締結後、所有権移転登記の完了前(登記上の所有権者は売主のまま)に相続が発生した場合、被相続人が買主ならば、土地は相続税の課税対象となり、土地代金に未払い金があれば相続債務となります。
反対に、被相続人が売主ならば、土地は相続税の課税対象外となり、土地代金に未払い金があれば、 売買残代金請求権が相続税の課税対象となります。

2) は、適切。未支給年金とは、死亡した時点で既に支給されるはずだった年金(年金は後払いのため、死亡した月分の年金は2ヶ月後に支払われる)で、遺族に支給されますが、相続税の課税対象財産には含まれず、遺族の一時所得として所得税の課税対象です。

3) は、不適切。信託財産の委託者の死亡により、適正な対価を負担せずに信託受益権を取得した場合には、遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

4) は、不適切。相続人が特別寄与者に特別寄与料を支払った場合、特別寄与者は被相続人から遺贈を受けたとみなされるため、受け取った特別寄与者については特別寄与料が相続税の課税価格(相続税額の2割加算の対象)となり、特別寄与料を支払った相続人については、相続で取得した財産から特別寄与料を控除した価格が相続税の課税価格になります。

よって正解は、2

問44      問46

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