問54 2023年9月応用
問54 問題文
《設例》の〈X社の財務データ等〉に基づいて、Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
〈固定比率、固定長期適合率〉
I 「X社の固定比率は□□□%、固定長期適合率は( 1 )%です。固定比率は100%以下が理想とされますが、固定長期適合率が100%以下であれば、通常、財務の健全性において大きな問題があるとは考えません。なお、固定長期適合率が100%を大きく超えるようであれば、財務の健全性に問題があると判断しますが、設備投資額が大きい製造業などは、水準が高めになる傾向があります」
〈インタレスト・カバレッジ・レシオ〉
II 「X社のインタレスト・カバレッジ・レシオは( 2 )倍です。この数値が高いほど金利負担の支払能力が高く、財務に余裕があることを示しますが、同業他社と比較することをお勧めします。また、単年の数値だけではなく、過去のトレンドを把握することで、財務体質が悪化しているか否かを判断することが大切です」
〈負債比率〉
III「X社の負債比率は( 3 )%です。この数値が低いほど企業の安全性は高くなり、負債比率が100%以下であれば、財務状態は良好と判断されます。負債比率が高いほど、( 4 )レバレッジが大きくなります。負債比率は業種によりその平均値が大きく異なっており、多額の設備投資が必要な業種では負債比率は高くなる傾向があります」
問54 解答・解説
複数の財務指標による指標値算出に関する問題です。
〈固定比率、固定長期適合率〉
I 固定長期適合率は、固定資産に投資した資金が長期資金(自己資本と固定負債)でどれだけまかなわれているかを示すため、100%以下であることが望ましいとされます。
ただし、固定資産・固定負債の適正割合は業種や個別企業によって異なるため、一律に判断せず企業の個別要因も勘案することが必要です。
固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100(%) ですが、自己資本は純資産から非支配株主持分(少数株主持分、被支配株主持分)と新株予約権を差し引いたものです。
固定長期適合率=110,000÷(17,000+254,000−16,000)×100(%)
=43.137… →43.14%(小数点以下第3位四捨五入)
〈インタレスト・カバレッジ・レシオ〉
II インタレスト・カバレッジ・レシオとは、借入金に対する企業の利息支払い能力を示す指標で、これが高ければ、安心して融資できるってことで、銀行等の金融機関が融資の際に参考とする指標でもあります。
インタレスト・カバレッジ・レシオ=事業利益÷金融費用
(事業利益=営業利益+受取利息・配当金、金融費用=支払利息・割引料)
では、問題文の数値を式に当てはめてみましょう。
事業利益=22,000+600+200=22,800、金融費用=170
※為替差益は財務上期末時点の時価評価で計上される含み益ですので、利息支払い能力の原資である事業利益に含まれません。
よって、インタレスト・カバレッジ・レシオ=22,800÷170=134.117… →134.12倍(小数点以下第3位四捨五入)
〈負債比率〉
III 負債比率=他人資本÷自己資本×100(%)で、自己資本(株主資本)に対する他人資本(負債)の割合を示しているため、負債比率が低いほど、その企業の財務の安全性が高い(100%以下なら財務状態良好)といえます。
財務レバレッジは自己資本比率の逆数(総資本/自己資本)ですから、負債比率が高い→他人資本が大きい→自己資本が小さい→財務レバレッジが大きい、ということになります。
以上により正解は、(1)43.14(%) (2)134.12(倍) (3)27.73(%) (4)財務(レバレッジ)
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