問8 2024年1月基礎
問8 問題文
募集株式の発行等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、株式の譲渡制限のある株式会社を非公開会社という。
1) 取締役会設置会社である非公開会社においては、株主総会の普通決議による委任がある場合、取締役会の決議により募集事項を決定することができる。
2) 公開会社において、募集事項は、定款で株主総会の決議により決定する旨を定めている場合等を除き、取締役会の決議により決定する。
3) 募集株式の発行等とは、株式会社が新規発行する株式や処分する自己株式を引き受ける者を募集することをいう。
4) 募集株式の発行のうち、株主割当てとは、株式会社が株主に対し、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を与える方法である。
問8 解答・解説
企業の資金調達に関する問題です。
1) は、不適切。会社法により、株式譲渡制限会社では取締役会を設置しないことも可能ですが、取締役会設置会社である非公開会社では、取締役会や代表取締役の決定のみで機動的な事業運営が可能で、株主総会の特別決議による委任がある場合には取締役会による募集事項(募集株式数・金額・期日等)の決定が可能です(株主総会での委任が無いと、株主総会の特別決議による決定が必要)。
2) は、適切。公開会社の場合、募集事項については、定款で株主総会決議で決定する旨を定めている場合等を除き、取締役会の決議により決定します。
3) は、適切。募集株式の発行(増資)とは、新規発行する株式や処分する自己株式を引き受けて、その会社の株主となる者を募集することで、企業の代表的な資金調達方法の1つです。
4) は、適切。募集株式の発行のうち、株主割当増資は、既存の株主にその持分比率に応じて発行した新株を割り当てて出資してもらう方法です。これに対し、特定の第三者に新たに発行した新株を割り当てて出資してもらう方法を、第三者割当増資といいます。
よって正解は、1
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