問11 2024年1月基礎
問11 問題文
生命保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 個人年金保険料税制適格特約が付加されている個人年金保険の基本年金額を減額した場合、減額した基本年金額に相当する解約返戻金相当部分は、将来の増額年金として積み立てられる。
2) 指定代理請求特約における指定代理請求人の範囲は、被保険者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹とされ、甥や姪は被保険者と生計を一にしていたとしても指定代理請求人になることができない。
3) 契約転換制度により、現在加入している生命保険契約を新たな契約に転換する場合、転換後契約の保険料は、転換時の年齢等により算出され、転換時において告知等をする必要がある。
4) 市場価格調整(MVA)機能を有する終身保険の解約返戻金は、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇していた場合には減少し、低下していた場合には増加することがある。
問11 解答・解説
各種保険の一般的な特徴に関する問題です。
1) は、適切。個人年金保険の基本年金額を減額すると、将来受け取る年金額を減らして保険料負担を軽くすることが可能ですが、個人年金保険料税制適格特約が付加されている場合には、減額した基本年金額に相当する解約返戻金は減額時には支払われず、将来の増額年金(年金受取開始時までの配当金の積立分)の原資となります。
2) は、不適切。指定代理請求人は、被保険者の同意を得た上で、被保険者の戸籍上の配偶者または3親等内の親族から複数名指名できますので、甥姪・おじ・おば等も対象です。
3) は、適切。契約転換とは、現在加入している生命保険の積立部分や積立配当金を「転換(下取り)価格」として、新しい契約の一部にあてる方法ですが、保険料は転換時の年齢・保険料率により計算され、告知・審査が必要です。
4) は、適切。市場価格調整(MVA)とは、解約返戻金が解約時の市場金利に応じて増減する仕組みのことで、終身保険・個人年金保険・養老保険等で利用されます。
保険が中途解約されると、保険会社は運用中の債券を売却して解約返戻金を捻出しますが、金利が上がれば債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。
従って、解約時の市場金利が契約時より上昇していると、解約返戻金が減少し、下落していると増加することがあるわけです。
※MVA=Market Value Adjustment(市場価格調整)
よって正解は、2
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