問15 2024年1月基礎
問15 問題文
事業活動に係る各種損害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 請負業者賠償責任保険に加入することで、ビル建設工事の足場が外れて落下し、隣接する建物を損壊させるなど、請負業者が、工事・作業等の仕事の遂行が原因となり、他人の生命、身体、財物に損害を与えたことによる賠償責任に備えることができる。
2) 施設所有(管理)者賠償責任保険に加入することで、空調設備から落ちた水を放置したため来客が転倒してケガをするなど、施設の管理や施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人の生命、身体、財物に損害を与えたことによる賠償責任に備えることができる。
3) 生産物賠償責任保険(PL保険)に加入することで、販売した弁当により食中毒が発生するなど、製造・販売した製品(生産物)や行った仕事の結果が原因となり、他人の生命、身体、財物に損害を与えたことによる賠償責任に備えることができる。
4) 機械保険に加入することで、従業員の誤操作等によって機械設備に不測かつ突発的な事故が生じて建物を損壊させるなど、機械設備の管理や機械設備の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人の生命、身体、財物に損害を与えたことによる賠償責任に備えることができる。
問15 解答・解説
損害保険による事業活動のリスク管理に関する問題です。
1) は、適切。請負業者賠償責任保険は、請負業務の遂行中や、請負業務を行うために所有・使用・管理する施設に起因する対人・対物事故について、請負業者の損害賠償責任を補償する保険ですので、請け負った建築工事中における第三者に対する損害賠償責任への備えとして、適切です。
2) は、適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の安全性の維持・管理の不備や、施設の用法に伴う業務遂行に起因する対人・対物事故について、施設所有(管理)者の損害賠償責任を補償する保険ですので、施設の管理不備による事故の損害賠償への備えとして、適切です。
3) は、適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は、企業等が製造・販売した商品などによる事故で、他者への損害賠償責任が発生した場合、被害者の治療費や慰謝料といった企業側の損害額を補償する保険ですので、販売した弁当による食中毒発生への備えとして、適切です。
4) は、不適切。機械保険は、作業ミスや設計ミス等の事故で、事業用建物内の各種機械設備に生じる損害を補償しますが、他者への損害賠償は補償対象外です。損害賠償に備えるなら、従業員向けは労働災害総合保険、第三者向けは施設所有管理者賠償責任保険等です。
よって正解は、4
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