問56 2024年1月応用

問56 問題文と解答・解説

問56 問題文

《設例》の〈投資信託Yと投資信託Zの実績収益率・標準偏差・共分散〉に基づいて、次の(1)および(2)に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。

(1) 投資信託Yの標準偏差はいくらか。

(2) 投資信託Yと投資信託Zの相関係数はいくらか。

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問56 解答・解説

ポートフォリオの相関係数とリスク(標準偏差)に関する問題です。

ポートフォリオ理論では、予想収益率の平均値を期待収益率、予想収益率の期待収益率からのばらつき度合いをリスクと考え、通常、リスクは標準偏差で表します(標準偏差=平均との差)

本問の場合、予想ではなく実績の収益率ですが、平均値との差としてリスク(標準偏差)を求める点では同じですので、期待収益率=平均値、予想収益率=実績収益率と読み換えることができます。
つまり、問題のポートフォリオにおいて、それぞれの毎期の実績値が、平均値よりどれくらい差があるかを求める問題なわけです。

まず、実績収益率の平均値=(10%+12%−4%+6%)/4=6%

次に、平均との差は、以下のようになります(平均との差はプラス方向にもマイナス方向にも発生する可能性があるため、2乗「^2」します)。
1期目の平均との差:( 10%−平均6%)^2=16%
2期目の平均との差:( 12%−平均6%)^2=36%
3期目の平均との差:(▲4%−平均6%)^2=100%
4期目の平均との差:( 6%−平均6%)^2=0%
よって、1期当たりの平均との差=(16%+36%+100%+0%)/4=38%

ただし、上記はプラス・マイナスの両方向分の平均の差を表している(分散)ため、
平均との差の絶対値(標準偏差)は、分散の平方根となります(分散^2=標準偏差)。
平方根は、電卓のルートキー「√」を押すだけで算出できます。
よって、本問のポートフォリオの標準偏差=6.164…→6.16%(小数点以下第3位四捨五入)

次に、2つの資産間の共分散は、2つの資産の相関係数に、それぞれの資産の標準偏差の積を乗じて算出します。
共分散=相関係数×(標準偏差A×標準偏差B)

従って本問の場合、
共分散−12=相関係数×(標準偏差6.16%×標準偏差2.12%)
相関係数=共分散−12/(標準偏差6.16%×標準偏差2.12%)
    =−0.918…→−0.92(小数点以下第3位四捨五入)

以上により正解は、(1)6.16(%) (2) −0.92

問55          第3問

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