問44　2009年9月基礎

相続の放棄や限定承認に関する次の記述のうち，最も適切なものはどれか。

1) 子のある相続人が相続を放棄した場合には，子が放棄者を代襲して相続人となる。

2) 相続の放棄は，相続があったことを知った日から２カ月以内に家庭裁判所に申述する必要がある。

3) 相続人が限定承認をした場合に被相続人の資産の額が80,000千円のとき，負債の額が80,000千円を超えている場合でも，資産は全額相続することができる。

4) 限定承認は共同相続人が全員で行わなくてはならないため，相続人のうちの１人が相続を放棄した場合は，限定承認はできない。

相続の放棄や限定承認に関する問題です。

1) は、不適切。相続人が相続を放棄すると、相続開始のときから相続人ではなかったこととされます。子供がいる場合でも、その子供が代襲相続人にはなりません。
代襲相続は、相続人が、相続前に死亡していた場合、相続に関して不正行為をした場合（相続欠格）、被相続人への虐待や重大な侮辱があった場合（相続人の廃除）に行われます。

2) は、不適切。相続の放棄は、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に家裁に申述書を提出する必要があります。

3) は、適切。限定承認は、資産額を上限に負債額も相続することですので、負債額の方が多くても資産全額を相続できます。問題文の場合、相続人は8,000千円の資産を相続して、その資産で8,000千円の負債を弁済することになり、それ以上の債務は負わなくて良くなります。

4) は、不適切。限定承認は相続人全員が行う必要がありますが、1人が相続放棄した場合には、その人は相続開始のときから相続人ではなかったこととされるため、残りの相続人全員で行うことにより、限定承認が可能 です。

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