問53 2009年9月応用

問53 問題文と解答・解説

問53 問題文

仮に,Aさんが,60歳の定年退職後もX社の継続雇用制度を利用して同社に勤務し,63歳で退職し,再就職しない場合,Aさんが退職後に受給できる特別支給の老齢厚生年金の年金額(物価スライド特例年金額,平成21年度価額)を求めなさい。
計算過程を示し,答は円単位とすること。年金額の端数処理は,50円未満を切捨て,50円以上100円未満は100円に切上げとし,計算過程における端数処理は,円未満を四捨五入すること。
なお,計算にあたっては,以下の<条件>と<資料>の計算式を利用すること。

※Aさんの家族構成と社会保険の加入歴等

<条件>
(1) 厚生年金保険の被保険者期間
・昭和43年4月〜平成15年3月(420月)
・平成15年4月〜平成24年11月(63歳到達時点,116月)

(2) 平均標準報酬月額および平均標準報酬額
・平均標準報酬月額:390千円
・平均標準報酬額 :500千円

<資料> 特別支給の老齢厚生年金の計算式(物価スライド特例年金額,平成21年度価額)
「特別支給の老齢厚生年金の年金額=定額部分の額+報酬比例部分の額+加給年金額(注)」
・定額部分の額=1,676円×被保険者期間の月数×0.985
・報酬比例部分の額=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)×1.031×0.985

<報酬比例部分の給付乗率(1,000分の)>
・総報酬制導入前…新乗率7.125、旧乗率7.5
・総報酬制導入後…新乗率5.481、旧乗率5.769

(注)配偶者の加給年金額396,000円(物価スライド特例措置による平成21年度価額)は,一定の要件を満たしている場合のみ加算すること。

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問53 解答・解説


 まず定額部分の年金額ですが、Aさんは昭和24年12月10日生まれのため、本来であれば定額部分の年金は支給されません
しかし、加入期間が44年以上あるため、「44年特例」により、定額部分の年金も支給対象です。
定額部分の年金は、生まれた年によって、被保険者期間の月数の上限が異なります。
・昭和 9年4月2日〜昭和19年4月1日生まれ……上限444月
・昭和19年4月2日〜昭和20年4月1日生まれ……上限456月
・昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生まれ……上限468月
・昭和21年4月2日以後生まれ…………………… 上限480月

Aさんの被保険者期間は、420月+116月=536月ですが、昭和24年生まれなので、上限480月として計算されます。
よって、定額部分の年金は、
1,676円×480月×0.985=792,412.8円≒792,413円(円未満四捨五入)

次に報酬比例部分の年金額ですが、これはそのまま計算式に該当する数字を当てはめるだけです。
=(390,000 円×7.5/1,000×420 月+500,000 円×5.769/1,000×116 月)×1.031×0.985
=(1,228,500+334,602)×1.031×0.985
=1,587,384.7≒1,587,385円(円未満四捨五入)

よって、定額部分と報酬比例部分を合わせた基本年金額は、
792,413円+1,587,385円=2,379,798円≒2,379,800円
(50円未満を切捨て,50円以上100円未満は100円に切上げ)

次に配偶者の加給年金ですが、その支給要件は以下の通りです。
・配偶者の厚生年金加入期間が20年未満
・配偶者の年齢が65歳未満
・配偶者の年収が850万円未満

Aさんの妻Bさんは、厚生年金の加入期間が78ヶ月(6年半)、Aさんが年金を受け取り始める4年後には58歳、3号被保険者ですから年収は130万円未満と、全て条件を満たしていますので、加給年金396,000円も支給されます。

よって、Aさんが受け取る年金額は、
2,379,800円+396,000円=2,775,800円

加給年金額を加算する前に、基本年金額を算出し、50円未満を切捨て,50円以上100円未満は100円に切上げをするのがポイントです。
加給年金額も加えてから切捨て・切上げをしてしまうと、ちょっと結果が変わってしまいます(2,776,000円になってしまいます)。

加給年金はオマケ的な存在なので、まずは定額部分と報酬比例部分を合計して基本年金額を出して切上げ・切捨てをするわけです。
確かに、奥さんを扶養しているというだけで、同じ掛け金を払った人よりも年金額が切り上げられたらちょっと不公平ですもんね。

問52                       第2問
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