問19 2010年1月基礎
問19 問題文
下表に掲載されている割引債券の年1回の複利計算による米ドル建ての年率換算の最終利回り(空欄1.)と利付債券の単利の年率換算の最終利回り(空欄2.)の組合せとして,最も適切なものはどれか。なお,税金や手数料等は考慮せず,表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
割引債券
利付債券
単価 90.59米ドル 100.95円
表面利率 ― 1.10%
利 回 り
( 1. )% ( 2. )%
残存期間 4年 5年
通 貨 米ドル
日本円
(補注:単価は100通貨当たりの価格を表示)
1) 1. 2.50 2.
0.90
2) 1. 2.50 2. 0.95
3) 1. 2.55 2.
0.90
4) 1. 2.55 2. 0.95
問19 解答・解説
債権の最終利回りに関する問題です。
最終利回りとは既発債を購入し償還期限まで保有した場合の利回りです。
まず割引債の1年複利計算による最終利回りは、以下の計算式になります。
購入価額×{(1+利回り)の残存期間分累乗}=額面
よって、利回り=Xとすると、90.59×(1+X)^4=100
(1+X)^4=100/90.59=1.10387…
1+X=1.02501… X=0.025=2.5%(小数点以下第3位四捨五入)
※(1+X)は1.10387…の4乗根であり、電卓の√キーを2回押すことで求められます。
ただ、もしこの式が思い浮かばなくても、電卓で地道に計算することもできます。
最終利回りの選択肢は2.5%か2.55%のどちらかなので、それぞれ計算してみると、
〔{(90.59$×102.5%)×102.5%}×102.5%〕×102.5%=99.99441$
〔{(90.59$×102.55%)×102.55%}×102.55%〕×102.55%=100.1897$
額面価格の100$により近いのは、2.5
% というわけです。
次に単利の利付債券の最終利回りは、以下の計算式です。
{1年の受取利息+(額面価格−購入価格)÷残存期間}÷購入価格×100=最終利回り
{1.1円+(100円−100.95円)÷5年}÷100.95円×100=0.90143%
小数点第3位を四捨五入で、0.90% です。よって、正解は1)。
こちらも計算式を覚えていなくても、電卓で地道に計算することもできます。
単利で、表面利率は1.1%ですから、5年後の満期時に受け取る利息は、
100円(額面)×1.1%×5年=5.5円
よって、満期時の元本と利息の合計は、100円+5.5円=105.50円
100.95円の元本が最終利回りX%、5年で105.50円に増えたわけですから、
100.95×X%÷100×5年+100.95円=105.50円
X%=(105.50−100.95)÷5÷100.95×100=0.90143%≒0.90%
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