問64 2010年1月応用

問64 問題文と解答・解説

問64 問題文

X社の類似業種比準方式による1株当たりの相続税評価額を,(1),(2)の順序に従い求めなさい。

それぞれ計算過程を示し,答は円単位とすること。
なお,端数処理は,1株(50円)当たりの年配当金額は10銭未満を,1株(50円)当たりの年利益金額は円未満を,計算過程における各要素別比準割合および比準割合は小数点以下第2位未満を,1株(50円)当たりの類似業種比準価額は10銭未満を,さらにX社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を,それぞれ切り捨てること。

(1) 1株(50円)当たりの年利益金額
(2) 1株当たりの類似業種比準価額

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問64 解答・解説


非上場株式会社の類似業種比準方式による株価算定に関する問題です。

まず(1)の1株(50円)当たりの年利益金額は、1株当たりの資本金を50円とみなした場合の年利益金額です。数式は以下の通り。
1株(50円)当たりの年利益額=所得金額÷発行済株式総数

ただし、年配当金額が直前2年分の配当の平均値から算出するのに対し、年利益金額は、直前1年分の所得か、直前2年分の所得の平均値かいずれかを選択できます。
普通は所得が低い方が株の評価額も下がり、相続税も下がるので、低い方を選びます。)

X社の直前1年分の所得金額:285百万円
X社の直前2年分の所得金額平均:(285百万円+320百万円)÷2=302.5百万円
よって、直前1年分の所得285百万円を用います。

1株当たり50円とみなした場合の発行済株式総数は、前問通り1,600千株です。
従って、(1)の正解は、
1株(50円)当たりの年利益額=285,000,000÷1,600,000=178.125≒178円(円未満切捨て)

次に(2)1株当たりの類似業種比準価額ですが、数式は以下の通りです。
株価=類似業種の株価×{(a/A+b/B×3+c/C)/5}×乗数×1株当たりの資本金額/50円
※a、b、c…評価会社の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※A、B、C…類似業種の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※乗数は、大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5
類似業種の株価は、評価年度の前年平均・評価する月・評価する前月・評価する前々月のうち最も小さい金額

これまでの問題で、X社の1株(50円)当たりの配当金額・利益金額・純資産価額と、1株当たりの資本金額は全て算出されていますので、数式に当てはめます。

株価=125×{(5.6/2.8+178/14×3+408/182)/5}×0.7×50,000/50
  =125×(2.00+12.71×3+2.24)/5×0.7×1,000 ←小数点第2位未満切捨て
  =125×8.47×0.7×1,000 ←小数点第2位未満切捨て
  =741.1円×1,000 ←10銭未満切捨て
  =741,100円
よって正解は、741,100円

問63                       問65
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