問53 2010年9月応用
問53 問題文
仮に,Aさんが平成23年3月31日にX社を退職し,62歳8カ月で老齢基礎年金の一部繰上げを請求した場合の,老齢給付の金額(物価スライド特例年金額,平成22年度価額)を,以下の<条件>と<資料>の計算式を利用して求めなさい。
計算過程を示し,答は円単位とすること。
年金額の端数処理は,50円未満を切り捨て,50円以上100円未満は100円に切上げとし,計算過程における端数処理は,円未満を四捨五入すること。
また,資料中の「□,△」は,問題の性質上,伏せてあるので,適切な数値を求めて計算すること
※Aさんの家族構成と社会保険の加入歴等
<条件>
(1)
厚生年金保険の被保険者期間
・昭和48年4月〜平成15年3月(360月)
・平成15年4月〜平成23年3月(退職時点,96月)
(2)
平均標準報酬月額および平均標準報酬額
・平均標準報酬月額:470千円
・平均標準報酬額 :610千円
<資料>
・老齢給付の計算式(物価スライド特例年金額,平成22年度価額)
(a)老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金の額=報酬比例部分の額+繰上げ調整額
・報酬比例部分の額
=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額
×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)×1.031×0.985
・繰上げ調整額
=(1,676円×被保険者期間の月数×0.985)×(1−□/28)
(b)老齢基礎年金
・老齢基礎年金の一部繰上げの額
=△△△×□/28×(1−5/1000×28)
問53 解答・解説
まず老齢厚生年金額について、報酬比例部分の年金額を求めます。
=(470,000
円×7.5/1,000×360 月+610,000 円×5.769/1,000×96
月)×1.031×0.985
=(1,269,000+337,833)×1.031×0.985 ←計算過程で円未満は四捨五入
=1,631,795.1≒1,631,795円
(円未満四捨五入)
次に、老齢厚生年金の繰上調整額は、以下の数式で計算できます。
老齢厚生年金の繰上調整額=定額部分の年金×(1−X/Y)
※X…繰上請求月から特別支給開始(定額部分の開始)年齢になる月の前月までの月数
※Y…繰上請求月から65歳になる前月までの月数
問題文で、定額部分の年金=(1,676円×被保険者期間の月数×0.985) と記載されています。
ここで、Aさんの被保険者期間は、360月+96月=456月で、昭和24年4月1日生まれの上限は468月のため、Aさんの被保険者期間は定額部分の年金の被保険者期間の上限内に収まっており、そのまま計算できますね。
次に、Aさんは昭和24年4月1日生まれのため、特別支給の老齢厚生年金の開始は64歳からです。
Aさんは62歳8カ月で繰上請求をするため、X…16ヵ月、Y…28ヵ月 です。
よって、繰上調整額=(1,676円×456月×0.985)×(1−16/28)
=322,625.21≒322,625円
(円未満四捨五入)
従って、特別支給の老齢厚生年金の額=報酬比例部分の額+繰上げ調整額
=1,631,795円+322,625円
=1,954,420≒1,954,400円
(50円未満切捨て)
次に、老齢基礎年金の繰上げ調整額は、以下の数式で計算します。
老齢基礎年金の繰上調整額=満額の老齢基礎年金額×X/Y×(1−5/1000×Y)
※X、Yは老齢厚生年金の繰上調整額と同じ。
繰上調整額=792100円×16月/28月×(1−5/1000×28月)
=452628.57×0.86=389260.57
≒389,261(円未満四捨五入)≒389,300(100円未満四捨五入)
従って、Aさんの老齢給付額=1,954,400円+389,300円=2,343,700円
※なお、配偶者の加給年金は特別支給の老齢厚生年金開始(定額部分の開始)時に支給される ため、繰上支給時には支給されません。
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