問63 2010年9月応用
問63 問題文
長男Bさん・妻Cさん・長女Dさんおよび甥Fさんが相続または遺贈により取得したX社株式の評価方法に関する次の文章の空欄 (1)〜(3) に入る最も適切な語句を,解答用紙に記入しなさい。
なお,長女Dさん,弟Eさんおよび甥FさんはX社の役員ではない。
取引相場のない株式の評価を行う場合の手順は,下記のとおりになる。
1.
Bさん,Cさん,Dさん,EさんおよびFさんは同族関係者で,X社の議決権割合の50%超を有しているため,Bさん,Cさん,Dさん,EさんおよびFさんは同族株主となり,よって,X社は同族株主のいる会社となる。
2.
BさんおよびCさんは,同族株主であり,それぞれ単独で議決権割合が( 1
)以上であるため,BさんおよびCさんの取得した株式は,原則的評価方式が適用される。
3. Dさんからみた場合,( 2
)同族株主の判定の基礎となる株主は,Bさん,CさんおよびDさんとなる。その議決権割合は72%で,25%以上であるため,Dさんの取得した株式は,原則的評価方式が適用される。
4.
Fさんからみた場合,( 2
)同族株主の判定の基礎となる株主は,EさんおよびFさんとなる。その議決権割合は8%で,25%未満であるため,Fさんの取得した株式は,( 3
)方式が適用される。
問63 解答・解説
相続税法上の株式評価に関する問題です。
取引相場のない株式は、その株式を発行した会社が同族株主のいる会社かどうかや、相続や遺贈などで株式を取得した株主が、同族株主かどうかで評価方法が変わります。
同族株主とは、株主1人とその同族関係者の議決権の合計が、その会社の議決権割合の30%以上である場合、その株主と同族関係者のことです。
ただし、その会社に50%超の株式を有するグループがある場合には、その50%超のグループに属する株主だけが同族株主となります。
よって、問題文1.にあるように、同族関係者のグループがその会社の議決権割合の50%超を有している場合、その会社は同族株主のいる会社となり、同族関係者であるB〜Fさんは同族株主となります。
さらに、同族株主のいる会社で、議決権割合の5%以上を有する同族株主の場合、原則的評価方式が適用されます。
よって、問題文2.にあるように、相続開始時Bさんは10%、Cさんは5%と、いずれも議決権割合の5%以上を有しているため、原則的評価方式が適用されます。
また、「中心的な同族株主」がいる同族会社の場合、中心的な同族株主や役員は原則的評価方式、それ以外の株主は特例的評価(配当還元)方式が適用されます。
「中心的な同族株主」とは、同族株主のうち1人並びにその株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹及び一親等の姻族(特殊関係会社含む)が所有する株式の合計が、その会社の発行済株式総数の25%以上の場合の、株主です。
よって、問題文3.と4.にあるように、Dさんからみた場合の中心的同族株主の判定の基礎となる株主はB〜Dさんで合計75%、Fさんからみた場合の中心的同族株主の判定の基礎となる株主はE〜Fさんで合計8%となります。
従って、Dさんは中心的同族株主で原則評価方式、Fさんは中心的同族株主以外の同族株主で配当還元方式となります。
従って正解は、(1) 5%、(2)中心的な、(3) 特例的評価(配当還元) 。
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