問40 2011年1月基礎
問40 問題文
居住者が土地・建物等を交換した場合における「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」(以下,「本特例」という)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
なお,各選択肢において,取引は利害関係のない第三者間の個人取引であるものとし,本特例の適用を受けるために必要とされるほかの要件等はすべて満たしているものとする。
1)
Aさんが,店舗の建設用地として,Bさん所有の土地(通常の取引価額100,000千円)を入手するため,Bさんと協議を行った。交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定された交換価値が130,000千円となったため,Bさん所有の土地とAさん所有の土地(通常の取引価額130,000千円)とを交換差金の授受をすることなく交換した場合であっても,土地の通常の取引価額の差額(30,000千円)がAさん所有の土地の通常の取引価額の20%相当額を超えているため,Aさんは,本特例の適用を受けることができない。
2)
Cさんが,Cさん所有の土地(通常の取引価額30,000千円)とDさん所有の土地(通常の取引価額30,000千円)とを交換すると同時に,Cさんの土地上の建物をDさんに通常の取引価額10,000千円で売却した場合,建物の売買代金10,000千円は交換差金とされ,その価額がCさん所有の土地と建物の価額の合計額(40,000千円)の20%相当額を超えるため,Cさんは,本特例の適用を受けることができない。
3)
Eさんが,Eさん所有の土地とFさん所有の土地とを交換して,同一の用途に供する場合において,Eさんの交換譲渡資産が3年前に取得したものであっても,Fさんとの交換のために第三者から取得したものであると認められるときは,Eさんは,本特例の適用を受けることができない。
4)
Gさん所有の土地とHさん所有の土地とを交換した場合において,Gさんが,交換により取得した土地を取得後直ちに売却したときは,Gさんは交換取得した資産を同一の用途に供したことにはならず,本特例の適用を受けることができないため,Hさんも本特例の適用を受けることができない。
問40 解答・解説
「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」に関する問題です。
評価額の異なる固定資産(土地や建物)を交換した場合に、より評価額の高い固定資産を取得したとしても、差額に対する課税は将来譲渡するまで繰延べてあげますよ、という制度です。
1)
は、不適切。特例適用の要件として、交換する譲渡資産と取得資産の差額が、高い方の資産の時価の20%以内であること、があります。
土地の通常の取引価格と、当事者間の合意した価格が異なっていたとしても、交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されたものであれば、当事者間の合意価格が認められます。
従って、通常の取引価額の20%相当額を超えていても、合意価格の20%を超えていないため、本特例の適用を受けることができます。
2)
は、不適切。「土地+建物」⇔「土地+建物」のような交換の場合、土地は土地同士、建物は建物同士で交換したものとして、20%相当額以内かどうかを判断します。
CさんはDさんと同じ時価の土地を交換し、同時にCさんの土地上の建物をDさんに10,000千円で売却しましたが、土地については特例適用を受けられ、また建物の売買代金10,000千円は交換差金とはみなされません。
Dさんの所有の土地にも建物があり、Cさんの建物と交換するような場合には、その評価額の差について交換差金とみなされます。
3)
は、適切。特例適用の要件として、譲渡資産は1年以上保有していたものであること、取得資産は交換の相手が1年以上保有し、かつ交換のために取得したものでないこと、があります。
Eさんは3年間保有していましたが、交換のために第三者から取得したものであるため、Eさんは本特例の適用を受けることができません。
4)
は、不適切。交換取得した土地を取得後すぐに売却すると、交換取得した資産を同一の用途に供したことにはならず、本特例の適用を受けることができません。
しかし、交換相手も同時に適用されなくなるわけではないので、Hさんは交換取得した資産を所有し続けるならば、本特例の適用を受けることができます。
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