問42 2011年1月基礎
問42 問題文
贈与に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1)
贈与は,贈与者が自己の財産を受贈者に無償で与える意思を表示し,受贈者がそれを受諾することによって効力が生ずる諾成契約である。
2)
死因贈与は,贈与契約であるものの,遺贈に関する規定が準用されるため,贈与者と受贈者の合意がなくとも成立する。
3)
負担付贈与は,受贈者に一定の負担を課す贈与であるため,双務契約に関する規定が準用され,受贈者が負担を履行しない場合には,贈与者は負担付贈与契約を解除することができる。
4)
書面により贈与契約が締結された場合には,各当事者は,原則として,その贈与を撤回することができない。
問42 解答・解説
贈与契約に関する問題です。
1)
は、適切。贈与とは、贈与する人が自分の財産を贈与される人に無償で与える意思を表示し、贈与される人がそれを受諾することで効力が生ずる諾成契約です。
つまり、お互いの合意により契約締結となるわけですね。
2)
は、不適切。死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用されますが、お互いの合意により契約締結しますので、受贈者の承諾がないと、贈与者の意思だけで締結することは出来ません。
ただし、死因贈与契約の撤回は、贈与者の意思だけで行うことが出来ます。
3)
は、適切。負担付贈与契約は、一般の贈与と異なり双務契約の規定が準用されるため、受贈者が負担を履行しない場合には、贈与者は贈与契約を解除することができます。
ちなみに「双務契約」とは、当事者双方がお互いに対価的な債権・債務を有する契約で、売買契約のように売主は買主に商品を引き渡す義務を負い、買主は売主に対価として代金を支払う義務を負う契約のことです。
4)
は、適切。口頭の場合は、まだ履行していない部分については「やっぱやめますわ」と取り消すことができますが、書面で契約した場合は、相手がOKしてくれないと取り消せません。
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