問8 2011年9月実技(資産設計)

問8 問題文と解答・解説

問8 問題文

和雄さんは、万一重い病気にかかったときには、家族のためにも治療に専念し、しっかり治したいと思っている。仮に、和雄さんが評価療養とされる先進医療を受けるために入院し、1ヵ月間の医療費の総額が下図のとおり80万円となった場合、空欄(ア)、(イ)にあてはまる金額の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、問題作成の都合上、図は一部空欄(****)にしてある。また、和雄さんの所得区分は「一般」であるものとする。

<70歳未満の自己負担限度額 所得区分:一般>
80,100円+(医療費−267,000円)×1%

●医療費の総額:80万円
 ・保険外診療分:20万円
 ・保険外併用療養費(※)として支給される額( ア )
 ・一部負担金
  *高額療養費:( イ )
  *自己負担限度額:(****)

※本来、一部でも保険外診療が含まれていると、その診療の全体が保険外とされるので、医療費は全額本人負担となるところ、厚生労働大臣が定めた一定の保険外診療については、一般保険診療と共通する基礎部分については保険が適用され、保険外併用療養費が支給される。

1.(ア)420,000円 (イ)83,430円
2.(ア)420,000円 (イ)96,570円
3.(ア)600,000円 (イ)94,570円
4.(ア)600,000円 (イ)98,370円

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問8 解答・解説

高額療養費に関する問題です。

サラリーマンなどの会社員が加入する健康保険では、70歳未満の場合、医療費の自己負担は原則3割ですが、自己負担額には上限があり、自己負担限度額を超えた分については、高額療養費として支給されることになります。

また、健康保険適用外の診療を受けた場合でも、厚生労働大臣が定めた一定の保険外診療については、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)については保険が適用され、7割は保険外併用療養費が支給、自己負担は3割です。

総医療費は80万円で、保険外診療分が20万円ですから、保険適用分(保険適用の総医療費)は60万円です。
このうち、7割が保険外併用療養費、残り3割が自己負担となるわけです。
保険外併用療養費=(80万円−20万円)×7割=42万円
窓口負担額=60万円−42万円=18万円

70歳未満の一般所得者の自己負担限度額は、80,100円+(総医療費−267,000円)×1% ですので、
自己負担限度額=80,100円+(600,000円−267,000円)×1%
       =80,100円+3,330円
       =83,430円

従って、高額療養費=窓口負担額−自己負担限度額
          =180,000円−83,430円=96,570円

従って正解は、(ア)420,000円 (イ)96,570円

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