問38 2011年9月基礎

問38 問題文と解答・解説

問38 問題文

借地権の設定に際し権利金等の一時金を授受する慣行のある地域において,個人間で建物の所有を目的とする土地の貸借等があった場合,贈与税の課税関係に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

1) 親所有の家屋(アパート)とその敷地である土地のうち,家屋のみをその子が贈与を受けてそのままアパートとして賃貸し,土地については子が親に権利金等の一時金や地代を支払わずに借りることにした場合,その家屋の用途が子の居住用家屋でないことから,子は親から借地権相当額の贈与を受けたものとされる。

2) 親の所有地をその子が借りて自己の居住用家屋を建築し,子は親に対して権利金等の一時金や地代は支払わず,毎年,その土地の固定資産税相当額を負担することにした場合,土地の使用貸借とはみなされないため,子は親から借地権相当額の贈与を受けたものとされる。

3) 親所有の借地権付家屋(親の居住用家屋)とその敷地である土地(借地権)のうち,家屋のみをその子が贈与を受けて直ちに第三者に賃貸し,土地については子が親の借地権を権利金等の一時金や地代を支払わずに転借した場合,「借地権の使用貸借に関する確認書」を所轄税務署長に提出し,所轄税務署長の確認を受ければ,子は親から借地権の贈与を受けたものとはされない。

4) 親の所有地をその子が権利金等の一時金や地代を支払わずに借りて自己の居住用家屋を建築した場合,子がその数年後にその家屋を取り壊したうえで借りていた土地を親に無償で返還したときは,親は子から借地権相当額の贈与を受けたものとされる。

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問38 解答・解説

個人間の土地の使用貸借に関する問題です。
使用貸借とは、貸主が借主に無償で使用収益させる契約です。

1) は、不適切。個人(親子等)間で土地を使用貸借する場合、贈与税等の課税関係は発生しません
よって、親所有地について権利金等の一時金や地代を支払わずに借りる場合、親から借地権相当額の贈与を受けたものとみなされません。

2) は、不適切。個人(親子等)間で土地を使用貸借する場合、地代を支払ったとしても、その土地の固定資産税以下であれば、土地の使用貸借とみなされ、贈与税等の課税関係は発生しません
よって、親所有地の地代を支払わずに、その土地の固定資産税相当額を負担する場合、土地の使用貸借とみなされ、親から借地権相当額の贈与を受けたものとみなされません。

3) は、適切。親が借地上の親の自宅を子どもに贈与し、子どもはすぐに他人に賃貸し、親の借地権については権利金等の一時金や地代を親に支払わずに借りている(使用貸借している)場合です。
この場合、「借地権の使用貸借に関する確認書」を所轄税務署長に提出し、確認を受ければ、親から借地権の贈与を受けたものとみなされません

4) は、不適切。個人(親子等)間で土地を使用貸借する場合、将来その土地を無償で返還したとしても、贈与税等の課税関係は発生しません

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