問56　2011年9月応用

【保有投資信託の概要】に基づいて，第３回の受益証券10,000口当たりの収益分配金の税引後手取金額を求めなさい。計算過程を示し，答は円単位とすること。

投資信託の収益分配金に関する問題です。

まず「購入時基準価額：10,800円」ですから、分配前の個別元本＝10,800円　です。
さらに、分配後の基準価額＝収益分配金支払前の基準価額−収益分配金　で表せます。

ここで、「分配後の基準価額＞分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本＝分配前の個別元本」となり、収益分配金すべてが普通分配金となり課税対象です。
反対に「分配後の基準価額＜分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本＝分配前の個別元本−特別分配金（非課税）」となります。
※特別分配金＝分配前の個別元本−分配後の基準価額

第１回の分配では、分配後の基準価額＝12,300円−1,000円＝11,300円　となり、
分配後の基準価額11,300円＞分配前の個別元本10,800円　となります。
従って第1回分配金1,000円は全て普通分配金となり、第1回分配後の個別元本は10,800円のままです。

第２回の分配では、分配後の基準価額＝10,700円−300円＝10,400円　となり、
分配後の基準価額10,400円＜分配前の個別元本10,800円　となります。
従って、第２回分配金300円は、全て特別分配金として、個別元本10,800円から取り崩したこととなり、第2回分配後の個別元本＝10,800円−300円＝10,500円　となります。

第３回の分配では、分配後の基準価額＝10,600円−300円＝10,300円　となり、
分配後の基準価額10,300円＜分配前の個別元本10,500円　となります。
ここで、普通分配金＝分配前の基準価額−分配前の個別元本　ですので、
普通分配金＝10,600円−10,500円＝100円
特別分配金＝収益分配金−普通分配金＝300円−100円＝200円

普通分配金は税率10%（所得税7%＋地方税3%、平成23年12月31日まで）で、特別分配金は非課税ですから、
第３回分配金の税引後手取金額＝100円×(1−0.1)＋200円＝290円
従って正解は、290円。

※計算方法としては、特別分配金を下記の式で求めることも出来ます。
特別分配金＝分配前の個別元本−分配後の基準価額＝10,500円−10,300円＝200円

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