問6　2012年1月基礎

労働者災害補償保険の保険給付に関する次の記述のうち，最も適切なものはどれか。なお，各選択肢において，ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。

1) 商品を荷台から下ろす時に右足の甲へ落としてしまったため小指を骨折し，全治１カ月と診断されたＡさんは，療養により休業した場合，休業１日目から休業補償給付を受けることができる。

2) アルバイトとしてイベントの誘導係をしていたＢさんは，大勢の人が殺到して将棋倒しの下敷きとなり肋骨を骨折してしまったが，アルバイトであったため労働者災害補償保険からの給付を受けることができない。

3) 業務災害で夫を亡くし，遺族補償年金を受けているブラジル人のＣさんは，平成24年２月にブラジルに帰国する予定であるが，ブラジルに帰国後も遺族補償年金を受給することができる。

4) 車を運転して得意先回りをしていたＤさんは，交通事故に遭い頸椎を捻挫して治療を受けているが，この事故が第三者の行為によって生じたものであるため，労働者災害補償保険からの給付を受けることができない。

労働者災害補償保険に関する問題です。

1) は、不適切。労働者が業務上の負傷・疾病による療養のために休業した場合、休業第4日目から休業補償給付を受けることができます。

2) は、不適切。臨時雇用的なアルバイトであっても、労災にだけは加入義務があるため、バイト中にケガをすれば、労働者災害補償保険からの給付を受けられます。

3) は、適切。労災の遺族補償年金は、外国人の配偶者でも受給可能で、母国に帰国後も受給可能です。

4) は、不適切。労災保険関係にある当事者（政府、事業主、労災保険の受給権者）以外の第三者によって生じた業務・通勤中の災害は、その第三者に損害賠償請求できますが、労働者災害補償保険からも給付を受けられます（労災から先に給付されると、政府が給付相当額を第三者に請求（求償））。