問16　2012年1月基礎

短期金融市場に関する次の記述のうち，最も不適切なものはどれか。

1) コール市場は，金融機関が相互に短期資金の貸借を行うことで資金の過不足を調整する機能を担っており，市場参加者は銀行等の金融機関に限られる。

2) ＣＤ市場は，譲渡性（可能）預金証書が取引される市場であり，市場参加者が銀行等の金融機関に限られないオープン市場である。

3) ＣＰ市場は，企業が資金調達するためのコマーシャルペーパーが取引される市場であり，市場参加者が銀行等の金融機関に限られないオープン市場である。

4) 国庫短期証券市場は，政府の一時的な資金不足を補う機能を担っており，市場参加者は銀行等の金融機関に限られる。

短期金融市場に関する問題です。

1) は、適切。コール市場とは、銀行等の金融機関が相互に短期資金を融通し合う市場で、資金の過不足を調整する機能があります（参加者は銀行等の金融機関限定）。
銀行とはいえ、常にお金が有り余っているわけでなく、大きな貸し出しが発生した場合等は、コール市場で他の金融機関から資金を借り入れるわけです。

2) は、適切。ＣＤ市場とは、譲渡性（可能）預金証書が取引される市場で、市場参加者が銀行等の金融機関に限られないオープン市場です。
なお、譲渡性預金とは、預金者が必要に応じて、いつでも金融市場で自由に売却できる定期預金です（通常の定期預金は他人に譲渡できません）。

3) は、適切。ＣＰ市場は、企業が資金調達するためのコマーシャルペーパーが取引される市場で、市場参加者が銀行等の金融機関に限られないオープン市場です。

4) は、不適切。国庫短期証券市場とは、政府が発行する短期の割引債を取引する市場で、政府の一時的な資金不足を補う機能を持っていますが、市場参加者が銀行等の金融機関に限られないオープン市場です。

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