問30 2012年1月基礎
問30 問題文
青色申告法人の欠損金の繰越控除等に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,各選択肢において,ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1) 欠損金の繰越控除は,最も新しい事業年度において生じた欠損金から順次控除し,損金の額に算入する。
2) 前々事業年度において欠損金が生じた法人が,当該事業年度において欠損金の繰越控除の適用を受ける場合には,前々事業年度以降,連続して青色申告書を提出していなければならない。
3) 欠損金の繰越控除の適用を受ける場合,青色申告書を提出していない事業年度において生じた欠損金であっても,青色申告書を提出した事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた欠損金については,原則として,繰越控除の適用を受けることができる。
4) 内国法人である一定の中小企業者等が青色申告書を提出する事業年度において生じた欠損金は,繰戻しによる還付の適用を受け,さらにその繰戻還付の計算の基礎となったものを除いた残額について,繰越控除の適用を受けることができる。
問30 解答・解説
青色欠損金の繰越控除と繰戻還付に関する問題です。
1) は、不適切。欠損金の繰越控除は、最も古い事業年度の欠損金から控除し、損金算入します。
2) は、不適切。青色欠損金の繰越控除を受ける場合、翌事業年度以降も確定申告しなければなりませんが、青色申告でなく白色申告でも適用されます。
3) は、不適切。欠損金の繰越控除が適用されるのは、青色申告書を提出した事業年度に生じた7年以内の欠損金ですので、青色申告書を提出していない事業年度において生じた欠損金には適用されません。
4) は、適切。資本金100百万円以下の中小企業は、平成21年2月1日以降の欠損金については、前年の所得に繰り戻して、税の繰戻還付を受けることができますが、さらに繰戻還付後の残額について、繰越控除を適用することも可能です。
つまり、繰戻還付を受けても、まだ赤字が残っていれば、来期にその残った赤字を繰り越せるわけです。
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