問33 2012年1月基礎

問33 問題文と解答・解説

問33 問題文

企業の安全性を分析する指標に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

1) 固定比率は,企業の自己資本に対する固定資産の割合を示したものであり,一般に,この数値は100%を超えて高いほうが望ましいとされる。

2) 固定長期適合率は,企業の設備投資等の固定資産への投資が,自己資本と長期の安定資金である固定負債とによって,どの程度,賄えているかをみるための指標であり,一般に,この数値は100%以下であることが望ましいとされる。

3) 自己資本比率は,その企業の総資本に対する自己資本の割合を示したものであり,一般に,この数値は高いほうが望ましいとされる。

4) 当座比率は,その企業の短期の負債に対する支払能力をみるための指標であり,一般に,この数値は高いほうが望ましいとされる。

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問33 解答・解説

企業の財務の安全性を示す指標に関する問題です。

1) は、不適切。固定比率は、設備投資等の固定資産への投資が、自己資本でどの程度賄われているかを判断する指標です。
計算式:固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100
固定比率が低い方が、借金をあまりしないで投資できているということですので、望ましい状態といえます(固定比率100%を超えると他人資本に依存)。

2) は、適切。固定長期適合率は、固定資産に投資した資金が長期資金(自己資本と固定負債)でどれだけまかなわれているかを示すため、100%以下であることが望ましいとされます。 100%を超えていると、短期資金の一部を固定資産の購入に回していることになり、資金繰りが良くないことを示します。
計算式:固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100

3) は、適切。自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合のことで、自己資本比率が高い方が負債の割合が低く、財務の健全性が高く、望ましいと判断されます。

4) は、適切。当座比率は、短期の支払能力を判断する指標で、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
計算式:当座比率(%)=(当座資産 ÷ 流動負債)×100

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