問48 2012年1月基礎

問48 問題文と解答・解説

問48 問題文

相続税法上の相続財産等に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,相続人は日本国籍と国内住所を有する個人であり,相続財産はすべて日本国内にあるものとする。

1) 契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において,相続放棄した者が受け取った死亡保険金は,相続税の課税対象とされる。

2) 契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において,相続人が死亡保険金のほかに受け取った積立配当金は,相続税の課税対象とされる。

3) 被相続人が受け取るべきであった給与の額が,被相続人の死亡日から1カ月後に確定して支給される場合,その給与は,被相続人の給与所得とはならず,相続または遺贈により取得したものとみなして相続税の課税対象とされる。

4) 被相続人が受け取るべきであった生前退職金の額が,被相続人の死亡日から3カ月後に確定して支給される場合,その退職金は,被相続人の退職所得とはならず,相続または遺贈により取得したものとみなして相続税の課税対象とされる。

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問48 解答・解説

みなし相続財産に関する問題です。

1) は、適切。契約者と被保険者が同一の場合、死亡保険金は相続財産ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、相続を放棄しても死亡保険金を受け取ることができますが、税制上「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
なお、相続放棄すると相続人とみなされないため、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)も適用されません。

2) は、適切。契約者と被保険者が同一の場合、死亡保険金は税制上「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが、みなし相続財産とされる保険金には、保険の剰余金・割戻金等を含むため、積立配当金も相続税の課税対象です。
なお、生命保険の配当金とは、予定と実際との差によって剰余金が生じた場合に、剰余金の還元として契約者に分配されるお金のことです。

3) は、不適切。相続開始時に支給時期の到来していない給与は、被相続人の給与所得とはならず、本来の相続財産として相続税の対象です。
なお、死亡時までに支給された給与は給与所得死亡後3年経過後に確定した給与は遺族の一時所得として所得税の対象です。

4) は、適切。遺族が受け取る退職金で、死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされ相続税の対象(生前に退職していても死亡後に確定したものを含む)となりますが、「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。

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