問7 2012年9月実技(資産設計)

問7 問題文と解答・解説

問7 問題文

宏明さんの父の一郎さんは、先日、取引先の金融機関が主催する相続対策セミナーで遺言に関する話を聞き、下記の自筆証書遺言を作成した。この遺言書に関する次の(ア)〜(エ)の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。

遺言書
遺言者 東一郎は、次のとおり遺言する。
一.私名義の次の物件を○○○○に相続させる。
  1.東京都目黒区中目黒三丁目××番△
    宅地 ×××平方メートル
  2.同所同番地所在
    家屋番号××番△ 木造瓦葺き二階建居宅
    床面積 △△△平方メートル
          銀座(a)
二.私名義のMA銀行日本橋支店に有する預金すべてを□□□□に相続させる。
三.私が所有しているMB株式会社の株式を◇◇◇◇に相続させる。
四.以上に定める財産以外のすべての財産を△△△△に相続させる。
五.この遺言書の執行者として、東京千代田区○町×丁目△番弁護士****(b)を指定する。
六.遺言執行者****に対して、本遺言執行のための預貯金等の名義変更、解約および換金等一切の処分を行う権限を付与する。

平成二十四年八月十日(c)

東京都目黒区中目黒三丁目××番△号 遺言者 東 一郎 (d)

付記
 本遺言書の二.にある「日本橋」を「銀座」と訂正する。
東 一郎

(ア)下線部(a)について、加除訂正を指示し、これを変更した旨を付記して署名すれば、変更した箇所に押印しなくても、その加除訂正は有効である。

(イ)下線部(b)について、遺言執行者として個人でなく法人を指定しても、その指定は有効である。

(ウ)下線部(c)について、日付が年月だけのものや日付を特定できないものは、遺言書自体が無効となる。

(エ)下線部(d)について、押印するときは必ず実印でなければならず、認印や拇印では遺言書自体が無効となる。

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問7 解答・解説

自筆証書遺言に関する問題です。

(ア)は、×。自筆証書遺言を加筆・訂正する場合、加筆・訂正事項を記入した上で、変更した旨を付記・署名し、変更箇所に押印が必要です。
なお、訂正箇所に署名されていても、押印がないと、遺言は無効となりませんが訂正はなかったものとされます。

(イ)は、○。遺言執行者は、個人だけでなく、信託銀行などの法人を指定することも可能です。

(ウ)は、○。自筆証書遺言は、作成年月日を正確に記載する必要があり、「○年○月吉日」等の記載では日付を特定できないため、無効です。

(エ)は、×。自筆証書遺言の押印は、必ずしも実印である必要はなく、認印や拇印でも有効とされます。

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