問17 2012年9月実技(資産設計)
問17 問題文
浩一さんの父の譲さんは、下記<資料>の土地を所有し、賃貸している。将来、この土地は浩一さんが相続する予定であるため、浩一さんは、FPの津久井さんに、この土地の相続税評価額の試算を依頼した。譲さんの相続に係るこの土地の相続税評価額として、正しいものはどれか。なお、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」については考慮しないものとする。
<資料>
・ 奥行価格補正率 1.00
・ その他の補正率については、考慮しないものとする。
・ 借地権割合 60%
・ 借家権割合 30%
・ この土地は、借地権の設定に際して権利金その他一時金を支払う取引上の慣行のある地域に所在する。
・ この土地は、株式会社KU(譲さんおよび浩一さんとは第三者の非上場会社)が通常の地代で賃借(普通借地)している。KU社は、この土地を自社ビルの敷地として使用している。
・ KU社は、この土地の借地時に通常の権利金を支払っている。
1.48,000千円
2.72,000千円
3.96,000千円
4.98,400千円
問17 解答・解説
路線価方式による不動産評価に関する問題です。
まず、奥行価格補正率とは、奥行が極端に短かったり長かったりする場合は宅地の利用が難しくなることから、評価額を調整するために定められています。
宅地の自用地評価額=路線価×奥行価格補正率×敷地面積 ですので、
資料の宅地の自用地評価額=300,000円×1.00×400u=12,000万円 となります。
(※路線価図の「300D」=300千円/u・借地権割合D)
また、父の譲さん所有の土地は、株式会社KUが賃借し借地権が発生していることから、貸宅地(借地権が付いている宅地)となります。
貸宅地価額=自用地評価額−借地権価額 で、借地権価額=自用地評価額×借地権割合 です。
※つまり、貸宅地価額=自用地評価額×(1−借地権割合)
よって、父の譲さん所有の土地の借地権価額=300,000円×1.00×400u×60%=7,200万円 ですので、
父の譲さん所有の土地の評価額=12,000万円−7,200万円=4,800万円
従って正解は、1.48,000千円
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