問18 2012年9月実技(資産設計)
問18 問題文
浩一さんの叔父の辰男さん(以下「被相続人」という)は、平成24年9月8日に死亡した。被相続人の相続人等関係図および被相続人に係る生命保険契約は下記のとおりである。被相続人の相続に係る各相続人等の相続税の課税価格に算入される死亡保険金額(生命保険金の非課税金額控除後の金額)として、正しいものはどれか。
<相続人等関係図>
・ 長女は、被相続人の相続について、相続の放棄をしている。
<被相続人に係る生命保険契約>
1.妻 21,000千円、 長男 7,000千円、 長女 7,000千円
2.妻 18,750千円、 長男 6,250千円、 長女 10,000千円
3.妻 18,000千円、 長男 6,000千円、 長女 6,000千円
4.妻 15,000千円、 長男 5,000千円、 長女 10,000千円
問18 解答・解説
相続税の課税価格に算入される保険金に関する問題です。
生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なり、受取人が相続人となる場合、支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。
被相続人の死亡により相続人が取得した死亡保険金のうち、「500万円×法定相続人の数」までは非課税となりますが、非課税枠は受け取った保険金の割合に応じた額となります。
また、相続を放棄した場合でも、退職手当金や死亡保険金に対する相続税の非課税限度額の計算上、「相続放棄はなかったもの」として扱われます。
本問の法定相続人は、妻・長男・二男・長女の4人ですから、非課税限度額=500万円×4人=2,000万円 です。
また、死亡保険金は相続財産ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、相続を放棄しても死亡保険金は受け取れます。
ただし、税制上は「みなし相続財産」として、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されず、全額が相続税の課税対象となります。
本問では辰男さんの死亡保険金のうち、長女が受け取るC生命保険の保険金1,000万円については、全額が相続税の課税価格に算入されるわけです。
さらに、相続放棄した場合の死亡保険金には非課税枠が適用されないため、他の相続人の非課税枠を計算する際にも除外されます。
よって本問の場合、相続人となる妻と長男が受け取る保険金4,000万円(妻3,000万円・長男1,000万円)だけが非課税枠の対象です。
妻の受取割合は4分の3(非課税枠が適用される保険金総額4,000万円のうち3,000万円受取)ですので、
妻の非課税枠=500万円×4人×3/4=1,500万円
長男の非課税枠=500万円×4人×1/4=500万円
相続税課税価格への算入額=受取保険金額−非課税枠 ですので、
妻の相続税課税価格への算入額=死亡保険金3,000万円−非課税枠1,500万円=1,500万円
長男の相続税課税価格への算入額=死亡保険金1,000万円−非課税枠500万円=500万円
従って正解は、4.妻 15,000千円、 長男 5,000千円、 長女 10,000千円
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