問19 2012年9月実技(資産設計)

問19 問題文と解答・解説

問19 問題文

百合さんは、長女の出産を機に会社を退職し、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した後は、国民年金の第3号被保険者である。百合さんは、55歳の誕生月に送られてきた「ねんきん定期便」(下記<資料>参照)について、FPの津久井さんに質問をした。<資料>に基づいて津久井さんが行った次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。なお、夫の浩一さんは、厚生年金保険に20年以上加入している。また、生計維持要件は満たされているものとする。

<資料:百合さんに送られてきたねんきん定期便>

※問題作成の都合上、書式を一部修正しており、実物とは異なる。

1.「百合さんのねんきん定期便の見込額は、今後60歳になるまでの加入期間分を見込んだ額なので、今後の加入状況によっては金額が変動します。」

2.「百合さんが65歳から受給できる老齢基礎年金には、振替加算額が加算されるので、年金額は、ねんきん定期便の見込額より多くなります。」

3.「百合さんが厚生年金基金に加入していた場合、代行部分が基金から支給されるので、報酬比例部分の額は、ねんきん定期便の見込額より少なくなります。」

4.「公的年金の年金額は、原則として毎年度賃金・物価スライドされるので、百合さんのねんきん定期便の見込額は、今後のスライドによって変動します。」

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問19 解答・解説

ねんきん定期便に関する問題です。

1.は、適切。ねんきん定期便は、50歳以上の人には、今後60歳まで継続加入したと見込んだ額が記載されていますが、50歳未満の方には、これまでの加入実績に応じた老齢年金の額を記載しています。従って、50歳以上の人でも加入状況に変化があれば、金額が変動します。

2.は、適切。加給年金と振替加算は、ねんきん定期便の受給見込額には反映されないため、実際に支給される際の年金額は見込額より多くなる場合があります。
夫の浩一さんは厚生年金の被保険者期間が20年以上と加給年金の要件を満たしているため、妻の百合さんが65歳になって老齢基礎年金を受給する際には、加給年金は夫の年金に加算されなくなり、一定額が振替加算として百合さんの老齢基礎年金に加算されます。

3.は、不適切。厚生年金基金では、報酬比例部分の年金の一部を基金が国に代わって運用(代行)している場合があり、代行部分と基金独自の加算年金については基金から支給されますが、代行部分と基金独自の加算年金は、ねんきん定期便の見込額には反映されないため、実際に支給される報酬比例部分の額は見込額より多くなります。

4.は、適切。公的年金は、原則として、毎年の賃金水準や物価水準の変動に合わせて改定(賃金・物価スライド)されるため、ねんきん定期便の見込額も今後のスライドによって変動します。

問18                問20

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