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2013年2月10日実技part1

2013年2月10日実技part1

part1 問題文

●設 例●
Aさん(55歳)は、有名日本料理店X屋の事業主である。
X屋は、Aさんが高級料亭で修行した後に父親からの相続財産を元手に独立開業したもので、当初は自宅兼店舗からスタートし、無借金経営を続けながらも、今やホテルや百貨店内に数店舗を構え、年商も3億円に達している。Aさんの妻Bさん(53歳)は店を手伝っており青色事業専従者として給与を受け取っている。
Aさんは、自身の相続が発生した場合の相続税については、税理士から「現時点では納税資金は足りている」と聞いているのでそれほど心配していないが、所得税については、申告所得が5,000万円を超え税負担が重いため、何か対策を打ちたいと思っている。知人から「所得税負担に悩んでいるのなら、法人成りするのがよいのではないか。相続対策にもなるらしい」と聞きつけたが、その具体的な効果については理解できていない。ただし、自分にとって有利ならば法人成りしたい、と前向きに考え始めており、法人成りする場合はどのようなことを検討して進めるべきか、アドバイスがほしいと思っている。
Aさん夫婦には、長男Cさん(32歳)と長女Dさん(28歳)の2人の子がいる。
長男Cさんは、将来はX屋を継ぐ予定であるが、今は同業者のもとに修行に出ている。長男Cさんは独身で、アパートに暮らしながらも真面目に勤めており、そのような姿をみて、Aさんは、そろそろ長男Cさんを自分の手元に戻してもよいころだと考えている。
長女Dさんは専業主婦で、賃貸マンションに住んでいる。長女Dさんは家計のやりくりに苦労しているようであり、]屋での妻Bさんの仕事を手伝いたいと申し出ている。また、今年中に持家を取得したいとも希望しており、その場合にAさんとしては、資金援助をしたいと考えている。
Aさんは余剰資金について、預金以外の方法で運用を始めたいと考えている。リスクのあるものはなるべく避けたいという思いから、現在、関心があるのは日本国債である。個人向け国債なら投資しやすいと聞いたので、その内容を詳しく知りたいと思っている。

〈Aさんの財産状況〉
現預金   : 5,000万円
店舗内装   : 3,000万円(簿価)
店舗保証金  : 3,000万円
自宅土地  :20,000万円
自宅兼店舗建物: 1,000万円

※自宅土地・建物は相続により取得したもので、いずれも時価評価である。
※債務はない。また、生命保険には加入していない。

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part1 ポイント解説

 顧客の相談内容・問題点に対する解決策。
1. 納税資金の不足・所得税と相続税の軽減対策
(1) 法人の設立(法人税の比例税率と所得分散による所得税軽減効果有り)
(2) 法人の設立後の役員退職金支払い(出資金軽減効果、退職所得控除による所得税軽減効果有り)
(3) 親族への役員報酬の支払いによる相続財産の軽減効果
(4) 生命保険の活用

2. 法人設立のメリット・デメリット
 ◆ メリット
   ・ 社会的信用の向上(法人会計による適正な財務管理)
   ・ 法人税の比例税率による所得税負担の軽減
   ・ 親族を役員にすることによる所得分散効果
   ・ 役員退職時の役員退職金の損金算入 等
 ◆ デメリット
   ・ 法人会計による決算業務等の事務負担の増加 等
⇒法人設立による所得税負担の軽減は、個人所得が900万円程度以上ないと十分なメリットを享受できないが、Aさんの所得は多額であり、税負担のメリットを享受できると思われる。

3. 長女の自宅資金援助方法とX屋での勤務
長女が自宅を購入する際には、相続時精算課税制度や直系尊属からの住宅取得等資金贈与に関する贈与税の非課税制度の特例の活用することで、一定額まで贈与税の非課税措置を受けながら、生前贈与を行うことが可能となる。
相続時精算課税制度は、贈与者は贈与年の1月1日時点で65歳以上、受贈者は20歳以上であることが必要だが、住宅取得資金の贈与であれば、65歳未満の親でも適用可能
また、法人成り後に長女を役員として報酬を支払うことで、所得税・相続税の負担効果も期待できるが、後継者である長男との関係が良好に進んでいくかが店舗・法人経営に大きな影響を与えることになるため、長男の意向をよく確認しておくことを提案する。

4. 個人向け国債の説明
社債や株式同様、国債も金融市場における売買の対象であり、債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇する。ただし、これは銀行等の金融機関が売買する通常の国債に関してであり、個人向け国債は発行から1年経過後には中途換金可能(国が額面金額での買い取りを保証している)であるため、金利が上昇しても、元本割れしない。
個人向け国債は、固定金利の3年物・5年物と、変動金利の10年物があり、金利の見通しや自身の資金需要に応じて検討することを提案する。

 FPと職業倫理
FPの職業倫理は、顧客利益の優先、守秘義務、説明義務(アカウンタビリティ)、顧客の説明・同意(インフォームド・コンセント)の4つ。
本問では、FPと顧客の利益相反や顧客の秘密漏洩を懸念する局面ではなく、顧客に対し金融商品取引法等における重要事項の説明義務に関わる段階でもなさそうですので、一番重要なのは、様々な納税資金対策や、法人設立のメリット・デメリットをきちんと説明し、顧客の理解度を確認する「インフォームド・コンセント」 ということになるかと思います。

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