問18 2013年9月実技(資産設計)
問18 問題文
宏一さんは、報酬比例部分相当の老齢厚生年金が64歳になるまでは支給されないため、60歳以後も勤め続けようと思っている。そこで、宏一さんは、FPの安城さんに60歳以後と64歳以後の収入見込額の試算を依頼した。宏一さんの60歳以後の雇用条件等が下記<資料>のとおりである場合、下表の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる金額を計算し、その額を解答欄に記入しなさい。なお、問題作成の都合上、表の一部は空欄(*****)にしてある。
<資料>
<宏一さんの60歳以後の雇用条件等>
・60歳以後も継続して雇用保険、健康保険、厚生年金保険に加入する。
・60歳以後に支払われる賃金月額:230,000円(標準報酬月額:240,000円)
※60歳以後、賞与は支給されない。
・60歳到達時の賃金月額:450,000円
・64歳から受給する年金月額:100,000円
<60歳台前半の在職老齢年金の支給停止額の計算式>
支給停止額(月額)=(基本月額+総報酬月額相当額−28万円)×1/2
<高年齢雇用継続基本給付金>
支給対象月の賃金が60歳到達時の賃金の61%未満の場合、支給対象月に支払われた賃金の15%相当額が支給される。
<高年齢雇用継続基本給付金を受給することによる在職老齢年金の支給停止額>
標準報酬月額が60歳到達時の賃金の61%未満の場合、在職老齢年金は標準報酬月額の6%相当額が支給停止される。
問18 解答・解説
高年齢雇用継続給付と在職老齢年金に関する問題です。
雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳到達時等の時点に比べて賃金が75%未満に低下した、60歳以上65歳未満の一般被保険者の方に支給されます(高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の2種類)。
支給額は、現在の賃金が60歳時の61%未満の場合は、現在の賃金の15%、61〜75%の場合は低下率に応じて15%以下の額です。
宏一さんの60歳到達時の賃金月額は45万円で、60歳以降の賃金月額は23万円ですから、
23万円/45万円×100%≒51%
よって、高年齢雇用継続給付の支給額(ア)は、23万円×15%=34,500円
また、年金支給開始年齢に到達した後も、厚生年金の被保険者として勤務する場合には、60歳台前半の「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。
これにより、賃金(賞与を含む)の額に応じて、年金の一部または全部が支給停止となる場合があり、支給停止となる基準額は、基本月額(月額換算の年金)と総報酬月額相当額(月額換算の賃金)により決定されます。
宏一さんの60歳以降の標準報酬月額は24万円で、年金月額(基本月額)は10万円ですから、「総報酬月額相当額+基本月額」は34万円となり、28万円を超えるため、年金の一部が支給停止となります。
※総報酬月額相当額=標準報酬月額+賞与/12
資料より、宏一さんに適用される支給停止額は、「(総報酬月額相当額+基本月額−28万円)×1/2」です。
従って、支給停止額(イ)=(24万円+10万円−28万円)×1/2=3万円
次に、年金をもらいながら働き続ける場合に、雇用保険の高年齢雇用継続給付が支給される間は、その支給額に応じて、特別支給の老齢厚生年金の一部が支給停止となる場合があり、支給停止される金額は、現在の賃金が60歳時の標準報酬月額の61%未満の場合は、現在の標準報酬月額の6%、61〜75%の場合は低下率に応じて6%以下の額です。
宏一さんの60歳到達時の賃金月額は45万円で、60歳以降の標準報酬月額は24万円ですから、
24万円/45万円×100%≒53%
よって、高年齢雇用継続給付を受けたことにの支給停止額(ウ)は、24万円×6%=14,400円
以上により正解は、(ア)34,500(円) (イ)30,000(円) (ウ)14,400(円)
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